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2016年1月11日月曜日

「はとバス」集客低迷から「奇跡の復活劇」を 遂げてた発想力とは?

東京人を都内観光させる「はとバス」の発想力 集客低迷からの「奇跡の復活劇」を遂げた!・1 月11日

 今日11日は「成人の日」の振替休日、各地各様の「成人式」が開催されたようだが、”ところ変われば品変わる”というようにバラエティーに富んでいるようだ!
 
 ところで、「はとバス」と聞けば  ”お上りさんの東京見物の観光バス”のイメージが強いが、このため変わりゆく時代に対応した経営戦略が求めらるが、「はとバス」はいかなる変化を告げたのだろうか?以下「はとバス」のガイドさんの「成人式」を覗いてみよう!というのも、ガイドさん達の出身地は全国に散らばっているからだ                                                                                           

・東京人を都内観光させる「はとバス」の発想力

 1月8日、「成人の日(1月11日)」よりもひと足早く、はとバスガイドの成人式が行われた。2016年に新成人となるガイドは、2014年3月に入社した22名。彼女らの出身地は青森県から鹿児島県まで1都16県と広範囲に及ぶ。
 
 ひと足早いはとバスの成人式は今では年始を飾る風物詩になっており、2016年で55回目を迎える。

 成人の日は祝日なのでガイド業務は多忙となり、ガイドは成人式に出席できない。このため会社独自で成人式を行っているという。

■「くまモン」もガイドの成人式を祝福

 朝8時、振り袖姿の22人が都内大田区のはとバス本社前に現れると、待ち構えていた報道陣のカメラの放列にビックリ。「超やばい、芸能人みたい!」。思わず発せられた言葉には、まだフレッシュさが残る。
 
 新成人ガイドたちは、「明治神宮」を参拝した後に「日の出桟橋」に。そこでは、あの「くまモン」が突然登場してガイドたちを祝福するというサプライズもあった。成人式という社内行事すらもPRに活用してしまう、はとバスの発想力には圧倒される。しかし、ここに至る過程には従来とは異なる発想の転換があった。
 
 かつてのはとバスツアーは、定番の観光地を巡るプランがメインだった。主たる客層は東京見物に来た人たちで、1964年の東京オリンピックの頃には年間123万人を集客した。しかし、乗客は次第に減少、2001年度には51万人まで落ち込んだ。その後もなべ底のような低迷が数年間続いた。
 それが2012年度に20年ぶりの90万人台に回復。近年は訪日客の利用が伸び、堅調に推移している。この奇跡の復活劇には大きなターニングポイントがあった。
 
 復活のきっかけは2008年に打ち出した「60周年特別企画」。そのときの様子は『「はとバス」ヒットの法則23』(潮出版社)に詳しい。「コスト削減や合理化だけでは、限界があることは明らかだった」。著者の江沢伸一・定期観光部副部長・企画課長は、本書でこう述べている。
復活の原動力となったのは、商品の企画力と、食事力だった。
 
 「関東周辺の人にも、あらためて東京を見てもらいたい」(田中康之・総合企画調整部長)との発想から、はとバスは従来の定番コースに加え、テーマ性の高い「はとバス劇場」ツアーを矢継ぎ早に投入していった。
 たとえば「話題の川崎工場夜景スポット」。通常は入れないエリアから京浜工業地帯の工場夜景を見せる。
また、「横須賀軍港めぐりと無人島『猿島』探検ツアー」では、海上自衛隊や米海軍の軍艦を間近で見せた後、東京湾で唯一の無人島・猿島に上陸する。
 
 猿島は太平洋戦争終結まで、東京を守る要塞として機能していた。「猿島のツアーは、若い人にも人気です。『CanCam』(小学館)でも取り上げられた。「いまの若い人は、どこか遠くに行くのにも車に乗らないんです。そういうことも人気の理由かもしれませんね」(田中部長)。
“寅さん”で有名な東京の葛飾区柴又のように都心からのアクセスが必ずしも便利とはいえない場所は、まさにふさわしいコースのようだ。
もう一つのキーワードである「食事力」とはなんだろう

■「食」こそ、はとバスの醍醐味

 「乗客からのアンケートはがきをこまめにチェックしてみると、食事についての反響が大きい」(田中部長)という。そのため、「はとバス劇場」では食事メインのツアーがある。たとえば「新はとバス食い道楽」は、銀座の人気すし店でのにぎりずし食べ放題、浅草の老舗ではうな重をメインにしている。
 
 「はとバス鍋奉行~冬の陣~」では、本場・両国でのちゃんこ鍋と浅草の名店での牛鍋をメインに、柴又・浅草の観光を組み合わせている。「昼も夜もこんなに食べられるものかと思われがちですが、みなさんしっかり食べてます」(田中部長)。
 
 一般ツアーの企画商品でも食事にはこだわる。
「『年末ジャンボ宝くじ購入』と金運祈願」といった一般のツアーでは、多くの一等当選者を輩出した「西銀座チャンスセンター」での年末ジャンボ宝くじ購入、神田明神での金運祈願がメインだが、そこに築地の老舗店でのふぐ料理を組み合わせている。ふぐは下関や北九州では縁起を担いで「ふく」(=「福」)と呼ばれるためだ。
 
 ほかにもパンフレットに掲載されているお店を見ると、名店がズラリ。有名ホテルのバイキングなどもある。クリスマスの時期には、イルミネーション見物とホテルでのコース料理が組み合わされる。「食べ物は大きなウエイトを占めます。食事がいいとコースの価値が上がるんです」と田中部長は商品企画の中での食事の持つ重要性を強調する。
 
 はとバスツアーのメイン客は中高年層だが、最近は若い人が増えてきたという。「若い人は、自分の写真を撮ってSNSにアップすることが多い。その点、はとバスツアーはいろいろな景色を背景に『写メ』を撮りやすい。自撮り棒持参で参加する人もいます」(田中部長)。
 
 地方の人や外国人にとって、はとバスは東京を知るための有効な手段である。しかし、都内に住んでいる人にとっても、はとバスは「非日常」を映し出してくれるため、関心が高い。はとバスのシートに身を委ねてみれば、魅力ある東京とともに、美味しい食べ物も満喫できることは間違いな
                                                以上

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