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日本ジオパークに認定され万歳三唱で喜ぶ関係者ら=串本町くじの川

 貴重な地質や地形を認定する「日本ジオパーク」に28日、白浜や串本町新宮市など紀南地方9市町村にわたる「南紀熊野ジオパーク構想地域」が認定された。この地域は、見どころとなるジオサイトの数が102カ所にのぼる。すでに全国各地で世界ジオパークを含む33地域(昨年12月現在)が選ばれているが、県内からは初めて。
 
 

 南紀熊野のジオパーク認定に向けて、県や9市町村などは2013年2月に「南紀熊野ジオパーク推進協議会」を設立。今年3月に日本ジオパーク委員会に申請書を提出し、翌4月には横浜市で公開プレゼンテーションに参加。ジオパークガイドの養成講座も開いたほか、7月には同委員会の現地審査も受けていた。
 

 東京都内で同委員会の認定会議が開かれたこの日、串本町くじの川の道の駅「くしもと橋杭岩」では、推進協議会の関係者やジオパークガイドら約70人が連絡を待った。午後5時すぎ、県自然環境室の東川智昭室長の携帯電話に「認定決定」の知らせが入ると、関係者らは橋杭岩を背に万歳三唱をして祝った。
 

 緊張した表情で電話を受けた東川室長は「事務局から“おめでとうございます”と言われ、ほっとした。今後はジオサイトの説明板の整備など、改善点などが示されると思うので対応していく。できるだけ早い時期に世界ジオパーク入りを目指したい」と話した。
 仁坂吉伸知事は「認定を契機に、南紀熊野地域の一層の活性化を図るとともに、世界に南紀熊野ジオパークをアピールし、早期に『世界ジオパーク』の仲間入りができるように取り組みたい」とコメントした。