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2010年2月27日土曜日

27日・「感動をありがとう!・10」ー想像の次元をはるかに超えた女子フィギュアーの戦いー

(バンクーバー冬季五輪大会・「感動をありがとう!」シリーズ10が今日で終わります。
 2.3日小休止をいただいて3月初めから、新しい企画で掲載いたします。しばらくお待ちください!


 
 きのう26日の女子フィギュア―スケート競技で、わたしのバンクーバー冬季五輪大会は終わった。
手に汗握る女子フィギュア―の熾烈な戦いにTVの前で釘付けになったわたしであるが、各選手の真剣にして果敢な演技を観ていて「感動をあるがとう!」を言いたい気分であった。
同じフィギュア―競技であっても世界選手権大会と4年に一度開かれる冬季五輪大会とでは、重みが違うことを、つくづく感じた。

 それにしても、SP競技で上位を占めた各選手のフリーの演技はなんと素晴らしかったことだろうか!
競技の結果、数字に表わされる採点結果を見ても、いかに各選手の競い合いが凄まじかったことか!

競技が始まるまえに、各選手の過去の最高成績を調べておいた。というのは、さきに24日に演じたSP競技で獲得した各選手の成績を表す数字が,あまりにも高い点数を挙げていたからである。

フリー競技を観ていて気付いたのは、成績が低かった選手にしても大きな失敗をすることが少なく(ジャンプに失敗して転倒する場面が見られなかった)、演技が進行したことにもよる。

演技が終了して表彰式に臨む各選手の表情やTV局にインタビユーを観ていて、金メダルを獲得した韓国・キム・ヨナ選手の満面喜びに満ち溢れた表情に対し、惜しくも銀メダルに終わった浅田真央選手の悔し涙を流す顔つきが、好対照に映った。





 







 しかし、浅田真央選手の悔し涙は金メダルのキム・ヨナ選手に対する勝負に負けた悔し涙ではなく、高い得点を挙げたものの、後半のジャンプでミスを犯した自分に対する反省の悔し涙であったと受け取った。   
 スポーツマン(ウーマン)には戦った相手の勝利には称賛こそすれ、妬む気持ちは更にはなく、自分がパーフェクトに演じ切れなかった自分に対する悔し涙であったと受け取りたい。

 わたしが浅田真央が「流した涙」を上に書いたが、ある新聞のスポーツ報道はこれを、以下の伝え方をしていた。そう、わたしが感じたのもこの報道のとおりなので、下に引用させていただいた。

“快挙にも、悲しかった銀”=勝つために跳んだ浅田〔五輪・フィギュア〕

 ショートプログラムで1度決めていたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をさらに2度成功させたのに、銀メダルだった。浅田真央(中京大)は「やってきて良かったと思う」と言いながら泣いていた。女子で世界初の快挙。「誇りに思いたい」と言った顔は、むしろ悲しそうだった。

 譲れない大技だからこそ偉業に挑んだ。1本目はきれいに着氷し、降りた瞬間に少しぐらついた2本目も、耐えて2回転トーループへ。3発3中。それでも金メダルの金妍児(韓国)に遠く及ばなかった。「(トリプル)アクセルを三つ、しっかり認定されたのは充実していたかな」。思い知らされた現実を正面から直視するのは、まだつらかった。

 演技後半に珍しいミスをした。単発の3回転トーループを跳ぼうとしたら振り上げる足のかかとの刃が氷に引っ掛かり、思い切り跳べずに1回転になった。足にきていた。トリプルアクセルへの体力的、精神的な負担は否めなかった。

 今季序盤は極度の不振に陥り、懸命に復活を目指してきた。大技を三つ決めて取った銀メダルには価値があるのではないか−。心情を察したそんな問いかけにも、すぐに言葉は出てこない。ようやく涙声をのみ込むように「でも悔しいです。はい」と答えた。純粋に、勝ちたかった。

 五輪で宿敵に敗れた借りは、他の舞台では返せない。「この試合はもう終わってしまっている。このオリンピックという場所なので」。うまく気持ちを表せなかったが、かけがえのない地で勝てなかった悲しさは、伝わった。一つの大技より完成度の勝負だった。負担の大きいトリプルアクセルに精力を注いだ浅田が勝てる戦いではなかったのかもしれない。でも「すごく重たい」と感じた銀メダル。それを手にした戦いには、アスリートとして挑もうとした跡が、はっきりと刻まれた。

この歴史的瞬間を報じていたNHK刈屋アナはただぼう然…「コメント浮かばず」

 これまで数々の名フレーズを残してきたが「浅田選手の演技が終わった瞬間、コメントが浮かびませんでした。演技自体は絶賛したかったのですが、浅田選手の気持ちを思うと何と表現したらいいか分かりませんでした」と説明。
「点数では負けましたが、人の心を揺さぶることが本質でもあるフィギュアとしては浅田選手の演技は最高でした」と賛辞を送った。 NHKは27日にNHKスペシャル「浅田真央 キム・ヨナ “史上最高”の闘い」(後10・00)を放送することを決めた。「感動をもう一度~」今晩のことですよ!







 



 













 それに銅メダルに輝いたカナダ・ロシェット選手、直前に応援に駆けつけてくれた両親のうち母親が急逝する悲しみを乗り越えた母親と一緒に勝ち取ったメダルだったと、国を背負って立つ自負と健気な精神力に感服の他はない。

 どうして15.6歳の少女や19歳のチャンピオンと同年の準チャンピオン、20歳そこそこの選手たちのどこにこんな大きな大会の観衆や雰囲気に飲み込まれることもなく演じ切れる精神力はどのようにして涵養されるのか、はなはだ興味が尽きないところである。

 これも同じレベルのライバルがおってこそ、お互い競い合い切磋琢磨して自己の記録を更新してゆくことに繋がっているのだろう。いずれにせよ、みんなまだ若い。選手生命もまだまだ長い。お互い競い合い、切磋琢磨を重ね更なる頂点を目指して努力して欲しいものだ。そのひたむきな努力が、われわれに感動を与え、勇気をもたらしてくれる源になるだろう。

















順位   氏名     国名  今大会成績    過去最高得点数と大会名
Ⅰ.  キム・ヨナ   韓国    228.56     210.03(08・フランス杯)
2.  浅田 真央   日本    205.50 201.87(09.国別対抗)
3.  J・ロジェット  カナダ    202.64 191.29(09・世界選手権)
4.  長洲 未来   米国    190.15     188.78(10.全米選手権)
5.  安藤 美姫   日本    188.86     195.09(07.世界選手権)
8.  鈴木 明子   日本    181.44     176.66(09.中国杯)

5位に終わった安藤美姫選手、わたしには立派に演じ切ったと思われた。思ったほど得点が伸びずSPに続いて残念、4位は確保できたと思ったが・・・。

4位に入った米国代表・長洲未来選手、ロス在住で両親とも日本人だと聞く、若干16歳にしての快挙、今後の成長を見守りたい。8位入賞の鈴木明子選手初出場の高いハードルを乗り越えて無欲が掴んだ入賞か、おめでとう!
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総括として

 日本勢で注目されるのは、何といっても女子フィギュアスケートだろう。浅田真央と韓国の金妍児(キム・ヨナ)による世界女王対決は見ものだった。

 フリースタイルスキーでは、07〜08年シーズンのW杯女子モーグル種目別優勝を果たし、09年世界選手権で2冠を達成した上村愛子が、出場4大会目の五輪で悲願の金メダルを狙ったが4位の終わり、スピードスケートは男子500mで銀・銅の2つメダルを獲ったが、それ以外は尻すぼみに終わってしまった。

 昔日本の国のお家芸といわれたジャンプ競技もあと一歩メダルに届かず仕舞におわった。期待されたスノーボードは入賞はあったものの、メダルには達しなかった。
 
 前回の06年トリノ大会では、日本のメダルは女子フィギュアの荒川静香が獲得した金メダル1個のみ。76年インスブルック大会以来の「メダルゼロ」となるピンチだったのに比べ、今回は銀2、銅2個と計4個のメダル獲得となった。わたしは5.6個のメダル獲得と予想したが、ここまでは達しなかった。

 さて、今回の冬季五輪開催国カナダであるが、 カナダはアイスホッケーやカーリング、フィギュアスケートなど冬季競技が盛んな国だが、88年カルガリー五輪では金メダルがゼロだった。  ちなみに、夏季大会で一度開催した76年モントリオール五輪も金メダルがゼロ。夏冬を合わせて初の地元開催五輪での金メダル獲得に向け、「Own the Podium(表彰台を手中に)」と名付けた強化策を03年夏から進めている。この成果が実ったのかどうかは知らないが、今回は26日現在金8・銀6・銅3個計17個のメダルを獲得しメダル獲得ランキング第3位に位置する。

以下メダル獲得ランキングBEST10を掲げるが、このメダル数を国の人口割りで比較するとき、わが国のメダル獲得数は、まことに寂しい思いがする。お隣の韓国を例に挙げれば、メダル獲得ランキング5位、金6、銀4、銅1個計11個、人口は約4800万人、日本の0.38である。
スピードスケート、ショート・トラック競技を得意にするが、国力・国威発揚に国を挙げて熱心に取り組んでいることも理由に挙げられようが、同じく開催国カナダも人口が約3300万人と、さらに少なくわが国の0.26、カナダは「Own The Podium(表彰台をわが手中に!)」を謳い文句に挙げ、熱心な取り組みの成果が上がったといってもいいだろう!

 わが国のスポーツは会社の実業団活動に負うところが大きかったが、世界的同時不況の影響で実業団を廃部する会社が相次ぎ、まことに寂しい限り。これらのなかで、「日本電産SANKYO」は、永守会長さんがスポーツに深い理解があり、会社を挙げてスポーツの振興に取り組まれ、所属する選手もこれらの応援を背景に頑張り、成績を残してくれた。

 スポーツの世界でも、五輪大会と名がつく競技には、世界選手権大会とは違い国名を背負って「日の丸」を掲げて戦うことから、国家として優秀なスポーツ選手の育成強化があってもいいのでは、と考える次第である。こういう時節だけに国民を元気付け勇気付ける政策があってもいいのではないかと思う一人である。
みなさん、如何なものでしょうか?
 ※OwnはOwner(名詞・オーナー・所有者、持主)のように自分の、自己の、という意味。
  Podiumは指揮台、表彰台の意味である。「Own The Podium」=「表彰台を自らの手に!」となる。

メダル獲得ランキング
(日本時間)02月27日(土)

順位 国名 金  銀   銅     人口
1  米国       8  12   12   3億11百万人
2  ドイツ      8  11    7    82百万人
3  ノルウェー    8   6    6     5百万人
4  カナダ      8   6    3     33百万人
5  韓国 6 4   1     48百万人
19 日本 0 2    2 1億27百万人
                          (以上)


2 件のコメント:

  1. しげやん^^
    コメントが後先になってしまいましたが・・・・
    atitiは以前にコメントしましたがフィギアが好きですよ^^
    見所満載でしたね^^他の競技も嫌いでは無いので誤解の無いように^^
    ヨナちゃん凄くしなやかな演技でしたね^^
    練習風景がTVで放送されていましたが凄かったです!
    世界の舞台に立つには陰で努力!努力の毎日ですネ
                   atiti

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  2. RE:       atitiさん
    今バンクーバー冬季五輪大会、フィギュアーは男女ともハイ
    レベルな戦いでした。五輪は4年に1度、他の世界選手権大会
    よりも名誉があります。
    それだけにメダルを獲りたい気持ちが強いし、国旗を背負って
    競技しているからです。

    キム・ヨナ選手、真央ちゃんがスピード型でヨナは優雅さが感
    じられます。女性らしさもヨナにはあります。
    それにしても、二人ともこの大舞台で自己の記録を大きく上回
    る高得点をだす、到底19歳の2人がやっていることとは、信
    じられません。2人ともまだまだ成長途中です。
    どこまで、伸びるのやら、先々見ものです!

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