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2010年2月25日木曜日

26日・「バンクーバー五輪・女子フィギュアー競技」の舞台裏のかけ引き!

フィギュアースケートの世界は競争が凄まじい。
選手同士の戦いというよりも、コーチとコーチの間の戦いの方が凄まじい。

 フィギュアースケートの世界にあっては、選手はコーチの考え方で動かされ、音楽、衣装、演出等全てはコーチの手に掛る。まさに、選手は「踊り子」であり、コーチは参謀、演出家、監督で、文楽でいう処の「人形」と「人形遣い」の関係にある。

いわば、「黒子」であり「黒幕」でもある訳だ。コーチの間の戦いはすでに始まっている。きょうは舞台裏からフィギュアー競技を眺めてみよう!

 バンクーバー五輪も終盤を迎え、きょうは待望の女子フィギュア―・スケート・フリー競技が始まる。

 一昨日行われたSP競技の上位選手の成績からみて、きょうは稀に見る熾烈な競い合いが繰り広げられるに違いない。
 
 だが、これは出場する選手のみならず、選手をサポートするコーチ陣が舞台裏で作戦を練り、選手をどう演出させるか、必死の作戦を展開しているようだ。そうすると選手はコーチの手のひらの上で踊る人形で、実際はコーチ間の争いが、こうさせているのだろう。

 このように大会の舞台裏から実際行われている競技を眺めたら、かわった面から大会を見ることができ、普段見えないものが見えてくる楽しみもありそうだ。

 事実、今大会の男子フィギュア―競技、きょうの女子フィギュア―競技のコーチの顔ぶれを見たとき、親子で対決、師弟で対決が現実行われている。 

 きょうの女子フィギュア―でも、浅田真央、安藤美姫両選手のコーチは元ロシアの師弟関係、すでにあった男子フィギュア―の日本代表小塚崇彦選手と米国代表ジェレミー・アボット選手のコーチは、われわれもよく知っている一世を風靡したフィギュアーの有名人、佐藤信夫、有香親子の親子対決であったのだ。

 だが、対抗する選手同士に就いた親子のコーチは至って仲がよい、というよりもお互いアドバイスしあう仲だと聞いている。相手の手の内を知って対抗する選手に作戦を授け、アドバイスするコーチの仕事は、まさに参謀同士の戦いに他ならない。

 きょうは、正面から競い合う選手同士を捉えるのではなく、裏側に回ってコーチによる舞台裏の虚々実々の駆け引きをお目にかけ、そのフイルターを通して現に行われる選手同士が繰り広げる戦いをご覧になるのも、一興かと思い、試合が始まる前にそれらのことをお届けさせていただこう。








                              


スケート練習中にすれ違う浅田真央(右)とキム・ヨナ選手(左)☝



写真上=浅田真央(右)の練習を見守るタチアナ・タラソワ・コーチ
写真下=安藤美姫(左)を指導するモロゾフコーチ
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 まず、浅田真央選手のコーチと安藤美姫選手のコーチをつとめる因縁のタラソワとモロゾフ=かつての師弟が対決!

 23日(日本時間24日)から始まったバンクーバー五輪のフィギュアスケート女子で、かつての師弟が日本選手の指導者として対決する。 4年前、トリノ五輪を目前に控えた時期に荒川静香さんはコーチを変えた。タチアナ・タラソワから、ニコライ・モロゾフへ。結果、荒川静香・モロゾフコンビが金メダルコーチになった。かつての師弟。2人の因縁はそこから始まり、今も続いている。

 バンクーバー五輪でメダルを狙う元世界女王の日本代表2人をそれぞれ指導する。タラソワは浅田真央(中京大)を昨季から、モロゾフは安藤美姫(トヨタ自動車)をトリノ直後から。五輪直前の1月、モロゾフが秘話を明かした。

 2006年に話はさかのぼる。「美姫と真央の2人にプログラム作成の話があったが、美姫を選んだ。問題を抱えている選手の方が何でもたやすくやすやすとやってしまう選手より面白いからだ」。当時の安藤はトリノ15位と惨敗した直後で、世界のトップに駆け上がった浅田は、年齢制限で五輪に出られない不条理が日本中の関心を集めていた。

 モロゾフは安藤を1年で世界女王にし、タラソワは世界女王になった後に浅田を引き受けた。今季の戦略も対照的だ。表現力を重んじ、ジャンプは安全策を貫いて安藤を着実に五輪へと導いたモロゾフに対し、タラソワは浅田に「乗り越えなさい」と難しいプログラムを与え、挑ませた。

 タラソワから学んだモロゾフは「偉大なコーチだった。すべてを惜しみなく与えてくれた」と感謝する。荒川は目前で去っていった。浅田に懸けるタラソワを、安藤を選んだモロゾフが脅かす。

 フィギュアスケート女子は前半のショートプログラム(SP)を終えて、日本の2人の世界女王経験者がメダル獲得を狙える位置につけた。
 SP2位の浅田真央(19)=中京大=を指導するタチアナ・タラソワ氏(63)と、同4位の安藤美姫(22)=トヨタ自動車=を教えるニコライ・モロゾフ氏(34)。日本の有望選手を指導し、今はライバルとして対決する。
 
「真央は神様がくれた宝物」と言ってはばからないタラソワ氏。2002年ソルトレーク五輪男子ではアレクセイ・ヤグディン(ロシア)を優勝に導くなど「金メダルメーカー」としての名をほしいままにしてきた。ただ一つ彼女が取っていないタイトル。それが五輪の女子シングルだ。その望みを浅田に託す。SPでは、好演の浅田を満面の笑みで抱きしめた。

 6点満点の旧採点時代に名選手を育てたタラソワ氏は、芸術性を重んじ、04~05年シーズンから本格導入された新採点方式への対応に出遅れた面があった。だが、「私もかなり研究した」と話し、近年は「タラソワ・マジック」が復活した。昨季の世界選手権男子で優勝したエバン・ライサチェク(米)のプログラムはタラソワ氏の振り付け。ライサチェクは今五輪の男子金メダリストとなった。

 モロゾフ氏は1998年長野五輪にベラルーシ代表で出場した元アイスダンス選手。引退後、タラソワ氏のもとでアシスタントコーチ、振付師として活動してきた。ヤグディンのソルトレークでの名演「仮面の男」はモロゾフ氏の振り付けだった。だがその後、コーチとして独立。06年トリノ五輪女子で荒川静香を金メダルに導き、高橋大輔(関大大学院)を07年世界選手権で銀メダルへ導くなど、日本選手を成長させている。いまは高橋選手が大ケガで練習できないときに、織田信成(関西大学)のコーチを引き受けた。同じ大学のライバル同士である

 モロゾフ氏は「彼女(タラソワ氏)からコーチとしてのすべてを教えてもらった。現在、彼女はテレビの仕事で忙しいようだが……」と中傷するかのような発言もある。SPで教え子の安藤は、浅田に後れをとり、「事態は変わりうる。フリーで何が起きるかは誰もわからない」と不敵に笑った。

 バンクーバーの次、14年はロシアでのソチ五輪。ロシア連盟の顧問も務めるタラソワ氏はほとんどの種目に目を光らせ、トリノ五輪では女子以外の3種目を制したフィギュア大国・ロシアの復活に尽力する。その一方で現在米国に拠点を置くモロゾフ氏は、荒川に続く安藤の活躍によって、母国ロシアに錦を飾りたいという野望を持っているだろう。














(キム・ヨナ)練習の拠点をカナダ・トロントに移し、コーチにカナダ出身のブライアン・オーサー氏を起用、選曲も浅田真央がロシアのラフマニノフの「鐘」に対し、米国・ガーシュイン「ピアノ協奏曲」を選ぶなど、観客受け狙った構成で臨んでいる。

(キム・ヨナのコーチ)
ブライアン・オーサー(Brian Orser 、1961年12月18日 - )は、カナダ出身の男性フィギュアスケート選手で、現在はコーチ。1984年サラエボオリンピック、1988年カルガリーオリンピック男子シングル銀メダリスト。











ニコライ・モロゾフ(ロシア語:Николай Морозов, ラテン文字:Nikolai Morozov、1975年12月17日 - )は、ロシア生まれ、アメリカ在住のフィギュアスケートコーチ、振付師。1990年代にはアイスダンスの選手として活躍し、ベラルーシ代表として長野オリンピックに出場した。フィギュアスケート振付師のシェイリーン・ボーンは元妻(2005年に結婚、2007年に離婚)。
経歴
16歳までシングルの選手だったが、同じタチアナ・タラソワチームのイリヤ・クーリックの前に限界を感じアイスダンスに転向。1994年世界選手権にアゼルバイジャン代表として出場。1998年にはベラルーシ代表としてタチアナ・ナフカとともに長野オリンピックに出場、16位となった。この年を最後に競技生活から退く。

引退後はタチアナ・タラソワのアシスタントとなり、間もなく振付師としての才能を示し始めた。1999-2000シーズンのバーバラ・フーザル=ポリ & マウリツィオ・マルガリオ組『ロード・オブ・ザ・ダンス』、そして2000-2001シーズン、アレクセイ・ヤグディン『グラディエーター』で脚光を浴び、翌2001-2002シーズンには『Winter』、『仮面の男』でヤグディンを世界トップに返り咲かせた。

 2003年にタラソワと袂を分かち独立。その後、荒川静香をトリノオリンピック金メダリストに、安藤美姫を不調から立ち直らせて2007年世界選手権優勝に、高橋大輔を2007年世界選手権2位に導く、その後織田信成選手(関大)のコーチに、2010年バンクーバー五輪日本代表選手8人中4人が、彼がコーチする選手であるといった等の実績を残している。










(小塚崇彦選手と佐藤信夫コーチ


男子フィギュアで日本人コーチが親子対決 バンクーバー冬季五輪

 2010年バンクーバー冬季五輪フィギュアスケートの男子シングルで金メダルの栄光を懸け、1994年の世界選手権女王、佐藤有香(Yuka Sato)さんが父・佐藤信夫(Nobuo Sato)さんと対決する。

 両者はともにリンクの中にはいないが、有香さんは米国代表のジェレミー・アボット(Jeremy Abbott)を、信夫さんは日本代表の小塚崇彦(Takahiko Kozuka)をリンクの外から緊張した面持ちで見守る。

 1月に行われた全米選手権(AT&T U.S. Figure Skating Championships 2010)で2連覇を果たしたアボットを指導する有香さんは、「いつも父を尊敬しています。コーチとして父と同じ舞台に立つことが夢でした。一生の思い出になるでしょう」と、話している。 術策に富む信夫さんは、娘との個人的な争いという興味をそそるような話はしたくないとしている。

 信夫さんは「2人の対決だとは思わない。健康を維持して最高の状態で臨めるよう、自分のスケーターを一生懸命に支えるようにと彼女にはアドバイスした」と話している。

 バンクーバーではトリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ(Yevgeny Plushenko)が主役になると予想されているが、父親もフィギュアスケートで五輪に出場した経験がある小塚には、メダル獲得を確信している理由がある。小塚は2009年の世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2009)で6位に入賞している。



(米国・ジェレミー・アボット選手と佐藤有香コーチ)

4 件のコメント:

  1. フィギア
    男女ともに
    全員入賞で
    すばらしいですね。

    活躍する選手のおかげで
    年齢の限界をこえて
    表現のできるよい仕事ですね。

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  2. RE: ばっちゃんさん
    この前のトリノ大会の時はフィギュアー・荒川静香の金メダル
    1つだけでしたが、今回は銀と銅ですが、2つづつです。
    かつてフィギュァーは、男女ともロシアが圧倒的に強かったの
    ですが、最近は夏冬とも凋落気味です。
    今回のバンクーバー五輪でも不振なのでプーチン首相は赤信号
    を出し、スポーツ担当相が首になりそうです。4年後はロシア
    のソチで冬季五輪開催がすでに決まってますから、将来に向け
    ロシアの巻き返しが始まります。
    日本はお隣の韓国に比べたら、成績は惨めなものです。
    国を挙げての大会だけに国ももう少し選手の育成に注力してく
    れないかな~、メダルを獲れば元気を貰えますから~!

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  3. しげやん^^こんばんは~^^
    素晴らしいオリンピックが終わりアスリート達はホッとしてるでしょうか?それとも次に向かってるでしょうか?
    本当に感動を与えてくれましたね!
           atiti

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  4. RE: atitiさん
    ご覧になってお解りの通り、フィギュアースケーターは、
    まさに踊り子であり、踊らしているのはコーチと呼ばれる
    方々なんです。どういう音楽の曲で、どういう演技をするか
    どういう衣裳をまとうか、みなコーチといわれる人々の手に
    掛るのです。コーチとは名のみで、監督兼プロデューサーで
    もある訳です。
    選手側からお願いしてコーチになってもらう、それだけ権威
    ある仕事なんです。映画監督と同じですね!

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