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2010年2月17日水曜日

18日・[感動をありがとう!..2」]「4年前の屈辱をバネに!バネが弾んで銀と銅メダル!」

(冬季五輪・感動物語)
「男子500メートル・スピードスケート競技」

4年前の「トリノ五輪」の屈辱をバネにして見事雪辱を果たす!バンクーバー五輪大会、日本初の銀と銅メダル獲得!







長島「4年間メダルのために」コーナー磨き雪辱の銀・雪辱を期すエース加藤悔しいが銅メダル獲得!

(15日、バンクーバー五輪スピードスケート男子500M) 長島(圭一郎・27)の2回目。
 なめらかな滑りで、氷をおさえていく。ゴール。34秒87。右手を突き上げた。
「五輪は強いか強くないか。最後は実力があるか、ないかだけ」と語っていた27歳。
2回目はトップのタイム。6位から一気に銀メダルまで駆け あがった。興奮で抑えがきかなかった。
2回目を滑り終えた長島は右拳を力いっぱいに突き上げた。電光掲示板の暫定表示は「1位」。そのままコース脇の高村コーチとハイタッチを交わすと勢い余って転倒。この時点でメダルが確定したわけではなかったが、仰向けになって何度もガッツポーズをした。

「金が欲しかったけど(メダルが)獲れたのでうれしい。今までで一番いいレース、一番熱いレースができた。自分に感動した」
 
 生涯最高のレースが大逆転の銀メダルを呼び込んだ。1回目はスタート直後にバランスを崩して35秒108で6位と出遅れ、メダル圏まで0秒17差。「攻めるしかない」。
 開き直った2回目は得意のアウトスタートから第1カーブ、バックストレートへと加速、小さい第2カーブにも減速することなく突進。コーナー出口で膨らんだものの、レーンを仕切るポイントを蹴飛ばしながら最後まで全力で駆け抜けた。土壇場で2回目トップの34秒876。合計タイムで韓国の伏兵、モ・テボンに抜かれたが「信じられなかった。よく(1回目の)6位から頑張った」と自画自賛した。
 
「同じチームでやってきて…。でも、負けたくない気持ちはあった」
 高校2年まで長距離の選手だった。長野五輪5000メートル金メダルのロメ(オランダ)らにあこがれた。 それが持ち味の低く、美しい滑りの原点だ。「500メートル専門の選手のように、ワシャワシャ滑るのは格好悪い。僕は短距離の選手にしては、一歩のストライドが長いと思う」
 
 4年前のトリノ五輪は500メートル13位、1000メートル32位の惨敗に終わり、涙を流した。「力もないのに出て、打ちのめされた。恥ずかしくて死にたくなった」。
 この4年間この悔しさをバネにして一歩ずつ成長してきた。研究して苦手のスタートダッシュ、コーナーワークを磨いた。
 
 オランダのコーチに「1000、1500メートルで世界記録を持つデービスと500メートル世界記録のウォザースプーン、そして君の滑りを合体させればスケートの完成形」とほめられるまでになった。

「金メダルを獲るしかない」。不屈の闘志で飛躍を誓い、夏場は陸上トレーニングで徹底的に体を痛めつけた。08年夏はチームの米国遠征に参加せず、ショートトラックの日本代表合宿に参加。1日8時間の猛練習で、自らの武器である低い姿勢のフォームに磨きをかけた。
 昨季は世界スプリント総合2位。「トリノで強くさせてもらった」。努力で加藤を抑え、日本のエースになった。年下の“先輩”加藤を0秒03差で破っての銀メダル。「日本で1番になれてよかった」。10代の頃から注目されてきた「天才」加藤とは対照的に、社会人になってはい上がった「雑草」。
 それでも長島は言った。「遅咲きとか言われるがそうは思わない。わざといろんな経験を積んできた」。努力の虫だからこそ味わえる快感は、また格別だった。
 
 174センチ、70キロ。細身の体で500と1000メートルを戦う。毎年、疲労がたまるシーズン終盤に調子を落とした。2月にピークを合わせるため、調整法を変えた。水泳で持久力を養い、食事も増やして体を3キロ重くした。「ワンピースがきつく感じた」

 前半戦は切れが鈍かったが年末にショートトラックで何十周も滑り込み、もう一度足のスタミナをつけた。年が明けて自然と絞れ、動きの鋭さが戻った。「怖いぐらい順調に調整できた」。マッサージを担当する高村コーチが胸を張る。
 
「4年間、メダルのために練習してきた」。トリノで涙を流した男は、雪辱ストーリーを目指してきた。

 もう一方の加藤(条治・25)、元世界記録保持者で、4年前のトリノ五輪では金メダル候補と期待されたが、本番では不本意な6位。「急に注目されておかしくなった」。重圧に負けインフルエンザにも罹った。
当時を振り返るのを彼は嫌がるが、一度だけ打ち明けた。「(この場から)逃げられねえかなぁと思った」。

 トリノ五輪後の2007年、渡米して約5カ月間、米国チームと練習して精神的に成長した。言葉が通じない中で「自ら行動しないと何も変わらない!」と気づき、前向きになった。昨季後半には一時スランプに陥ったが、今度は逃げようとは思わなかった。

「耐えました」と、加藤。「苦しい思いをして、我慢した方が、人間的にも味があるでしょう」。4人兄弟の末っ子の甘えを捨てて、逞しさを増した。
レース後、加藤は頭を抱えて落胆の表情を隠せなかった。「悔しい銅メダル?はい」。淡々と振り返った。

 1回目を34秒93の3位にまとめた。不安材料だったスタートも決まり、2位とはわずか0秒01差、1位のポウタラとも0秒07差。
 最終組で迎えた2回目。「突っ込んでゆこう」。インスタートから100メートル通過は全体3位。だが、第1カーブでバランスを崩す。体が起き上がり、減速してしまった。大きい第2カーブを曲がった後、最後の直線では足に疲労がきていた。35秒07.1回目よりタイムを落とした。

 銀メダルの長島に2本合計で0秒03及ばなかった。今村監督は「相当悔しいと思う。でも、ミスも実力のうちなので」と話した。

 雪辱に賭けてきた4年間だった。「今回は長島さんが一番の注目なので、身を潜められて楽です」。そう笑いつつも「今回に賭ける意気込みはなかなかのものがある」とも。本番直前までスタートダッシュの改良に努めていたのも、表彰台の一番高い金メダルを目指していたからだ。

「残念です」。理想の滑りを追い求める「求道者」は、最後まで笑顔を見せなかった。
 
 長島圭一郎「1回目6位からで信じられない。2回目は開き直って、転んでもいいと思って、飛ばしていった」
 加藤条治「今回は万全の状態で臨んで、てっぺんを取れなかったのがかなり悔しい。2回目はどんどん突っ込んでいくつもりだった。後半ちょっと疲れた。頑張った割にタイムが出なかった」。

 加藤よ!君はまだ若い。4年後があるではないか!同じチームに所属しお互いライバル同士を認め合う長島と加藤、お互い更に切磋琢磨して、次は頂点の金を目指して欲しい!!!




(参考・500メートル男子スケート競技)
順位・ 氏名・第1走(秒)・第2走(秒) 合計(分・秒)の順に記載(走の前の数字はその走の順に)。         

(1)牟太釵(韓)(2). 34.92・( 2). 34.90・ 1.09.32(2)長島圭一郎(日)(6).35.10・(1)34.87・1.09.98(3)加藤条治(日)(3).34.93 ・(5).35.07・1.10.01・(4)李康爽(韓)(4)35.05 ・(3).34.98・1.10.04(5)ポウタラ(フィンランド)(1).34.86・(11).35.18・1.10.04                      
 こうして見ると、第1走、第2走ともタイムを揃えた選手が高い順位を占めている。しかしながら、全体を通して、1番だったフィンランドのボウタラの第2走が11番と順位を落とし、最終5位となったのに対し、日本の長島選手は第1走6番から第2走第1位と死にもの狂いの頑張りで、全体の2位、銀メダルを獲得したことは称賛に値する。

それにしても加藤選手は惜しかった。第1をほんの少し上回れば金メダルに手が届いていた。最終走者ということで、それまでの走者の成績が分かっていたので、多分に力が入り過ぎたのだろう。2本揃えて好成績をだすことが如何に難しいか0.0何秒がメダルへの分かれ目となる競技だけに・・・最終的にバランスを維持できた3人がメダルを手にしたレースだった。








日本電産サンキョーの最強支援が生んだメダリスト 

長島と加藤が所属する日本電産サンキョー(長野県下諏訪町)は、前身の三協精機製作所時代の60年スコーバレー五輪以来、14大会連続で五輪選手を輩出してきたスピードスケート界の名門中の名門。
不況で各企業のスケート部が廃部に追い込まれる中、現在も手厚い支援を続けている。その1つが、他のチームと比べて充実したスタッフだ。

02年ソルトレークシティー五輪後、カウンセリング等で有名な松下信武氏とメンタルコーチ契約を結んだ。精神面のケアを任せられる人物を置くチームは少なく、集中力の高め方やリラックス法などを選手は身につけることができる。
 
また、昨季からショートトラック元日本代表の小沢竜一コーチが加入。1周111・12メートルの小さなリンクを滑走するショートトラックで要求される繊細なコーナーワークを伝授するほか、スケート靴のメンテナンスも手掛ける。夏場のオフには選手が単身で海外合宿を行うことも容認している。日本人でも海外勢に対抗できる短距離の強化に特化し、これらすべてのエッセンスを注入。98年に就任して環境を整備してきた今村監督は「エース格の選手をどう伸ばすか考えてきた。会社の理解があった」と万感の思いに浸った。
 
≪取り巻く環境は年々厳しく…≫男子500メートルで獲得した五輪メダルはこれで通算9個となった。
だが、スケート界を取り巻く環境は年々厳しくなっているのも事実だ。バブル崩壊後の長引く不況で企業が次々に撤退。宮部保範や堀井学が所属した王子製紙のスケート部は8年前に廃部となり、競技に理解のあったコクド、佐田建設なども姿を消した。スポンサー企業と個人契約する選手のサポート体制では勝負にならないのが現実だ。

現在わが国の社会人スポーツ選手は環境的に苦しい立場に置かれている。世界的な不況のアオリで、各企業が実業団を廃部し、社会人選手は死ぬ思いをしながらトレーニングに打ち込んでいる。幸い長島、加藤両選手は日本電産サンキョウというトップがスポーツに深い理解をもつ会社に身を置いているだけに恵まれているが、「日の丸」を背負ってでるスポーツには国家としての援助が求められる。

 今回のバンクーバー五輪を契機に日本の国として、スポーツ選手の育成に注目し、注力してほしい!
お隣の韓国の選手の好成績を眺めたとき、この思いが一層つよく感じられる今回の大会である!
それにしても、2人ともよく頑張った!日本のお家芸が復活というべきか、それとも新規スタートというべきか!
女子では500メートル5位の吉井小百合選手もこの会社の所属である。会社の厚遇に応えて、続く1000メートルにも期待が高まる!!!
フレー・フレー・日本!!!

6 件のコメント:

  1. すごいスピードが出ているんでしょうね。
    金色のウェアがかっこよかったです。
    日本電産の永守さんもお喜びでしょうね♪

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  2. しげやん^^来たよwwwww^^
    スピードスケートと言うだけあってすごいスピードで、終わったらハァ~ハァ~言ってるよね^^
    しげやんこの人たちの太もも見た???凄い太いよね
    こんだけ筋肉ついたら関節にも負担かからないだろうなぁ~
    って見ています^^ワハでもこれだけ筋肉つくんだから相当な練習もしてるんでしょうね!
    まずは銀・銅良かった!!万歳!!
                   atiti

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  3. RE: mugさん
    陸上競技の100メートル走では、9.7秒、1秒に10.3m
    に比し、スピードスケート500mでは約35秒、秒速14.3m
    の計算になります。時速に換算すれば約52.5Kmとなります
    から、相当なスピードです。ことにカーブを曲がるとき、
    遠心力で身体が外側に振られますから、これに持ち堪えるの
    が大変だそうです。

    元はオルゴールで有名な(株)三協精機製作所でしたが、05
    年頃、日本電産のグループ会社になったようですが、昔から
    スピードスケートの実業団は有名でした。
    有名な清水宏保氏、スケートのプロになるまでは、三協所属
    のスケーターでした。

    日本電産の永守さんと云えば、会社再建で有名ですが、全て
    に厳しい方とばかり思っていましたが、スポーツの実業団
    活動にも多大の理解があるように、初めて知りました。
    費用の半分は、永守さんのポケットマネーだとか・・・
    そうであれば、ポケットマネーは凄い金額になります。
    とてもじゃないが、ポケットに入れ切れない。人のお金の
    勘定どこれではないか!永守さんに大いなる感謝です!

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  4. RE:   atitiさん
    有名な清水宏保氏も、元は、三協の所属選手でした。
    彼は冬季五輪で金1・銀1・銅1を獲得しています。
    また世界選手権大会では通算金5、銀3、銅2個のメダルを獲
    っています。

    あるとき、この清水さんがプロ野球ヤクルトで活躍し監督
    も務めた古田敦也氏と対談したとき、古田さんが開口一番
    清水さんの太ももを一度触らせて下さいといって、清水さん
    の了解のもとで彼の太ももを触ってビックリしたそうです。

    まるでハガネのようだと、それも膝周りの筋肉が凄かったと
    盛り上がっていて、これにはプロ野球で筋肉を相当鍛えて
    いた古田さんにして、只々驚きを隠せなかったと聞いたこと
    があります。太腿の周りは64cmあったそうです。

    各選手のユニフォームを通しででも、この発達した筋肉の
    様子はほぼ分かります。岡崎朋子選手の太もも太さはコスチ
    ュームを通してでも凄いと分かります。
    普通の女の人の銅周りよりも太いでしょう!

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  5. オリンピックで
    誰も彼もの
    手が止まる今日この頃。

    私はフィギアはみましたが
    そのほかはてんでわかりませんが

    スピード女子で
    自分の苗字が
    連呼されるたび
    おどおどしてしまいます。
    これでもう名前を読み間違いされないなと
    思っております。

    いずれにしてもアスリートをみてると
    つめの垢煎じて飲みたくなります。

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  6. RE: ばっちゃんさん
    女子スケーターに同じ名前の選手がありますね~!
    大平、中平、小平、わたしはこの三姓の方とも知り合いが
    あります。名前も上、中、下が付いたり、大中小あり、
    前後ろあり様々です。
    私の姓の崎、山扁に大ではなく立なんです。読み方も
    オサキ、濁らないのが本当ですが、世間一般に言われている
    ように「おざき」で名乗ってます。
    紀州には「雑賀」そう雑賀孫一の雑賀ですが、他の県の方に
    は「サイカ」とは、読みにくいでしょう。これも読み方は
    濁らずに読みます。これと同じで濁らないのです。

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