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2013年7月15日月曜日

朝日新聞に「まるで会社全体が追い出し部屋」 出向に耐えても閑職とあるが、アリの世界でも・・・!

一般社会に80:20の法則といわれる「パレートの法則(パレートのほうそく)」が厳然と存在する。以前このブログでアリの社会を紹介したが、アリの世界でもすべてのアリが働きアリとは限らない。 経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説。

「80:20の法則」、「ばらつきの法則」などと呼ばれることもあるが、本来は別のものである。イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が発見した冪乗則である。経済以外にも自然現象や社会現象等様々な事例に当て嵌められることが多い。

ただし現代で言われるパレートの法則の多くは、法則と言うよりもいわゆる経験則のたぐいである。自然現象や社会現象は決して平均的ではなく、ばらつきや偏りが存在し、それを集約すると一部が全体に大きな影響を持っていることが多い、というごく当たり前の現象をパレートの法則の名を借りて補強している場合が少なくない。

また主要な一部(80:20の法則で言う20%の部分)だけが重要で、残りは重要ではないという説明がまれに見られるが、それも本来のパレートの論旨とは無関係である。

 

現代でよくパレートの法則が用いられる事象

  • ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である。

  • 商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。→ロングテール

  • 売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。

  • 仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。

  • 故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。

  • 所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。

  • プログラムの処理にかかる時間の80%はコード全体の20%の部分が占める。

  • 全体の20%が優れた設計ならば実用上80%の状況で優れた能力を発揮する。

現実の社会はこうなのだから、現実を無視してすべてがさも「追い出し部屋」であるが如く書く朝日新聞の記者のオツムの方がどうかしていると思うのはわたし一人であろうか?

むろん「追い出し部屋」はない方がよいのは理解できるにしても、大学や大会社には入学や採用されない多数の生徒や学生がおり、中には合格しても進級できずに留年する者も出る。

朝日新聞の論理によれば、すべてが会社が悪いのです、という論理的矛盾をかかえながら無理を押し通そうとして、世論に問いかけているとした受け取れない。マスコミに名を借りた暴力ではないのか?

 

「まるで会社全体が追い出し部屋」 出向に耐えても閑職


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ベクトルに出向を命じられた大京社員の出向条件確認書=関田航撮影

 
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これまでに明らかになった「追い出し部屋」の状況

 
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「心の病」で労災認定を受けた人が過去最多になっている

 

朝日新聞の暴露記事を続けよう!そこには・・・

『気づき』を与える」といった名目での「出向」が明らかになった大京だが、それだけではない。
出向という名の追い出し部屋  「まるで会社全体が『追い出し部屋』になった。
 自身も「出向」の経験がある中年の男性社員は、リーマンショック以降の大京の変化をこう話す。
 

大京が2008年、社員の1割強にあたる450人の希望退職を募ると、東京・千駄ケ谷の本社の一室に間仕切りされた小部屋ができた。会社側は「希望退職の際の面談用の部屋」という。だがそこに集められた人によると、室内にはパソコンが置かれ、再就職先を探すよう求められた。「朝日新聞の『追い出し部屋』報道を見て、ウチにも似たのがあったと思い出した」と大京の元幹部はいう。
 

 そして、ほかの会社への「出向」が始まった。AIGエジソン生命(現ジブラルタ生命)に行くよう命じられた社員の一人は「マンション販売で培った人脈を生かして富裕層をとりこめと。親類縁者からは確実に契約をとるようにもいわれた」。3カ月間に総額30万円の保険料をえられる契約獲得がノルマとして課せられ、「達成できないときは、自腹を切らされたこともあった」。
 「出向」だけでなく、本社でも「閑職」しか与えられず、追い込まれていく人たちがいる。
 首都圏の大型マンションを販売するプロジェクトに異動させられた40代の男性もその一人だ。
 マンションの営業一筋で管理職にまでなったが、異動先での仕事は新入社員がするような周辺住宅へのチラシ配布だった。年下の上司に「一日2千枚のチラシをまけ」と命じられ、それをこなすと、「明日からは3千枚だ」と告げられた。
 「3千枚なんて自転車で運べない。できないことをわかっていて命じる。実績があがらないと給料も下げられる」。顧客対応は一切やらせてもらえない日々が続き、年収は管理職当時より100万円以上減った。
 別の40代の社員はモデルルームに配属され、待っていた仕事は草むしりとチラシ配布だった。
 大京は以前から厳しい営業で知られていたが、「成果を上げれば報いてくれるので、やりがいはあった」と、不本意な仕事をさせられているベテラン社員はいう。それがこの数年は「365日リストラをしている会社になってしまった」とこぼす。
 こうしたやり方について大京の山口陽社長は「出向が『追い出し部屋』と見られるのはまったくの誤解。評価が低い方々に刺激を与えたい。異業種交流で目をさまし、気づいて戦力になって戻ってきてほしいという思いからだ」と話す。社内の追い出し部屋も「存在しない」と否定する。
ベクトルの卜部憲社長は「大京と取引はあるが、詳細はお答えできない」。セレブリックスの江川利彦社長は「出向社員を受け入れる事業はいまはやっていない。当時の責任者も退職し、状況は不明」という。
 オリックスの宮内義彦会長は、大京がマンションの分譲から管理へと事業の軸足を移していく過程で、人員削減が必要だったという。宮内会長は「安定した利益を目指すビジネスモデルに変えた。ご迷惑をおかけした人もいるかもしれないが、大京の人はよそでも通用する人ばかり。残酷物語みたいなことはない」と語る。
 だが、今年ベクトルに出向した社員からは早くも退職者が出始めている。社員を追い込む手法について、会社に見切りをつけた元社員は「人間の尊厳を踏みにじるやり方だ」と憤る。
■行き場失い、追い込まれ
 行き場を失い、死を選んだ例も明らかになった。
 東京都内内にある11階建てマンション。外階段の7階に立つと、近くの中学校の校庭から生徒たちの声が届く。昨年11月の夜、ここからオフィス機器大手リコーの元社員の男性(当時46)が身を投げた。
 その日の午前中、再就職支援会社を訪れ、前日に受けた面接がうまくいかなかったことを報告していた。一度帰宅し、すぐ近くのこのマンションに向かったことが後で分かった。
 自宅の居間のテーブルに1枚のA4判リポート用紙が残されていた。両親への短いメッセージがあった。
 「このようなことになって、ごめんなさい」
 大手電機メーカーからリコーに移って約10年。外国語が堪能で、長く海外営業を担当していた。「やりがいを感じているようだったのに」。父親(70)は、力なく話す。
 リコーが国内外で1万人を減らすリストラ計画を発表したのが2011年5月。しばらくすると、元社員は上司に声をかけられ、退職を勧められた。「もう、今までのキャリアを生かせる仕事はない」
 当初は拒んだ。だが、残れば派遣社員がやっているような作業をしてもらうと、子会社への「出向」をちらつかされたという。4回の面談で折れ、心も病んでしまった。うつ病で1カ月ほど休職し、その年の秋に退職した。
 その後、リコーに紹介された再就職支援会社などを通じて職探しをしていたが、環境は厳しかった。自殺する直前には韓国系企業の海外事務所から内定をもらえたが、「3カ月契約」と短く、その後も希望する条件に合う職はなかった。再就職どころか、人生をあきらめるしかなかった。
 この男性とは別の道を選び、退職を拒んで「出向」を受け入れた社員たちにもつらい現実が続いている。
 工場や倉庫が立ち並ぶ東京湾岸にあるリコーの物流子会社。50代の男性は、若者に交じって半導体部品を段ボール箱から取り出し、注文通りの数の部品が入っているか、数量を確認する毎日だ。作業の間は立ちっぱなし。「夕方には足がかなり痛くなる。週後半は本当につらい。いつまで続けられるか……」
 以前はリコー本社の研究所で、コピー機などに組み込むソフトや電子回路の開発をしていた。大学の理工学部で電気工学などを学び、入社後は一貫して研究開発の部署にいた。「不慣れな肉体労働をさせ、『やめる』と言うのを待つ。まさに追い出し部屋だ」
 こうした実態についてリコー広報室は「コメントは差し控える」としている。
 だが、出向社員がつらいのは体だけではない。評価基準は出向前のままの「管理職級」で、いまの仕事ではどう頑張っても、基準で求められる「指導的立場の役割」を果たせない。最低評価がつけられ、2年続くと降格が待っている。
 「会社をずっと支えてきた気持ちはあったのに。こうやって体も心も参っていくのでしょうか」
■心の病で労災 10年で5倍増
 仕事が原因でうつ病などの「心の病」になり、労災を認められた人がここ10年で5倍近くに増えた。2012年度は475人、うち93人が自殺(未遂含む)でいずれも過去最多だった。
 自治医科大学の精神科医、西多昌規氏(43)は「過重労働」や、従来とまったく違う仕事をさせられる「労働環境の変化」を理由に挙げる。将来への不安があると発病しやすくなると言い、「クビになるかもしれない」などと常に考えてパニック状態や過呼吸になる症例が増えた。「追い出し部屋」のような厳しい職場環境の広がりも、背景にあるとみられる。

 

1 件のコメント:

  1. こんにちは。
    私は自殺したリコーの元社員とお付き合いしていました。実は将来の約束もしており、お互いの親とも会っていました。私の親は彼のことがとても気に入っていましたし、彼のご両親も私のことを気に入って下さり、彼のお母さんに「私は本当にあなたが大好き。あなたが家族になってくれたらとても嬉しい」と言われ、私はなんて幸せなんだろうと思っていました。それなのに…。
    彼の実家に警察から死亡の連絡が来たのは雨の夜でした。彼の死から1年以上経ち、彼がいない状況にも慣れてきましたが、今だに雨の夜は夜空を見上げ「こんな雨の中、あの人は1人で逝ってしまったのか」と涙が出てきます。

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