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2010年1月15日金曜日

16日・「創造力」と『記憶力」、「東大」:「日大」!


         東京大学・安田講堂


         日本大学本部ビル

         境野勝悟氏とその著作











 今日16日と明日17日は全国で大学入試センター試験、また明日は阪神大震災から15年を迎える。各報道陣も特集番組を組み、その後の様子を報道するだろう。ごく最近ハイチの大震災で十万人を超える人が犠牲になり、救出、援助がままならぬよう報じられているが、いつ、同じようなことがわが身かと思うと他人事とは思えない恐怖である。 

ところで、先日来「温故知新」から「温故創新」の時代へと、ということでお話を進めてきました。が、そこでは「努力」することばかりが強調され、「創造力」や「記憶力」その他のことには、余り触れられずにきました。しかし、「努力だけでは全てが成就しません。また、いつもBLOGにお訪ね下さる方から「勘」とか「閃き」についてのご質問も頂戴しました。

「努力」の名言の中に、発明王エジソンは1パーセントのヒラメキがなければ、99パーセントの「努力」は無駄である、といっています。これらアイデアを生み出す能力、ヒラメキがどうしたら得られるのか?かくいうわたし自身「創造的」能力にはあまり自信がなく、「創」に憧れをもつものの一人です。

 大分前のことになりますが、ある方のBLOGで、「記憶力(暗記力)」と「創造力」とを面白い対比で表現されているのを見たことがあります。そのときは大変興味を覚え、いまでも少しは覚えております。そこで、そのお方の記事から少しく、引用させて頂くと次のようにあります。

 この方の意見は次の二氏の講演、境野勝悟氏「東大型か日大型か?」と塩野七生氏「21世紀にどう入ってゆくか?」から二氏の見解を集約されたものです。

 はじめに、境野勝悟氏「東大型か日大型か?」からその要約です。

 ここでいう東大:日大は1969(昭和44)年、全学連の全共闘が占拠する東大・安田講堂の占拠を封鎖解除や、日大でも全共闘の封鎖が解除されるなど、学園紛争が終焉にむかった。安田講堂に篭城する全共闘のメンバーからコンクリート片や火炎瓶が警察めがけて投げ落とされるのを、TVを通じて闘争のすさまじさを目の当たりにした記憶があるが、この全共闘の東大:日大ではなく、入学・学生・卒業生としての両校の対比である。

境野 勝悟(さかいの かつのり、1932年 - )は、日本の哲学者、東洋思想研究家、作家。神奈川県横浜市出身。1955年、早稲田大学教育学部卒業(国語国文学)。同年より、私立栄光学園にて国語科教員として教鞭を執る。1973年、同校を退職。その後、駒澤大学大学院博士後期課程満期退学。現在、神奈川県大磯町にて「道塾慶陽館」を主宰。また、全国各地にて講演会を開催している。

・・・近年、受験競争が激化して全教科の試験成績が平均して良くないと東大には入学できなくなってしまった。そして、教員生活をつづけているうちに、○○学園から毎年、東大にストレートで入っていく生徒の特徴、記憶力の権化のような生徒の特異性に疑問を抱くようになった。
 私は教育の理念は「努力」、勉強は努力だ!といってきた。そして、確かに努力して勉強すれば、5段階評価で、1の人は努力すると2に上がる。2の人は3に、3の人は4になる。
 ところが、4の人は努力してもやはり4で、5にはなれない。記憶力抜群の連中が5を独占しまっている。4の人が5に登ってもすぐ落ちてしまう。4の人は努力の人、5の人は生まれつきの人なのだ。
 本当にこれでいいのか。記憶力の権化だけが東大に入っていく今の教育はどこか間違っているのではないか。そう考えて、「長所だけの人間がいるはずがない。記憶力の権化のような生徒にも短所、能力欠点があるはずだ」と観察を続けて、東大型生徒の欠点を明らかにすることができた。
人間が持っている脳力について

   2大基本能力   
記憶力 =(受動能力)
創造力 =(能動能力) -- 自発性
記憶力 + 創造力 = 10
 
 それは、○○学園の観察からわかったことで、『誰でも持っている2大基本能力、すなわち、記憶力と創造力には「たして10」という性質がある』ということ。したがって、記憶力の権化のような生徒は記憶力が10だから創造力は0、創造力をもっていない。だから、教えられたことしか記憶できないし、新しいことを工夫することができない。そして、この記憶力抜群の生徒の特徴は笑わない、笑えないということである。
 
世の中に出ると、教えられないことを自分で考えて処理していかなければならない。教えられたことしか考えられない、正解のあることしかできない人間では、生きている問題の処理ができる筈がない。

 記憶力型の人間は、「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば並の人」ということわざ、そのものなのだ。
大抵の人は記憶力と創造力をバランス良く持っている。だから、社会で仕事ができる。社会に出て、本当に活躍している人、組織のトップに立って成功している人は記憶力型ではなくて創造力型の人間なのだ。

 今、世の中で、営業の場で活躍しているのは日大型といわれる人。営業活動は相手の気持ちを受け取れなければ成立しないものだ。どんなスポーツでも、相手の気持ちを考えられなければ、自分だけがどんなに頑張っても絶対に勝てない。相手の気持ちなど誰も教えられない、相手本人が教えてくれることなどまずありえない。相手の気持ちは自分で読む必要があるのだ。そんな場に置かれる営業活動だから、相手の気持ちを考えられるスポーツ選手が社会で活躍できるのだ。

 ところで、創造力10の人間に記憶力がないわけではない。創造力型人間の記憶力には、大きな特徴がある。それは「記憶力の志向性」ということで、自分が興味を持ったものはさっと覚える、興味を持たないものは全然覚えない。

 この創造力型人間は中学時代に、何かを夢中になってやるようになる。夢中になってやると、中には二十歳になる頃には大人の中にはいっても一流といわれる力をつけるものもでてくる。昔のエリートといわれる人はこういう人たちだった。一芸に秀でた人、抜群だった人がエリートとなったのだ。

 記憶力型の人間は、「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば並の人」ということわざ、そのものなのだ。ある○○会社で聞いた話。昔は「今年の東大出はあれとあれだ」ということは、「何かあったら奴に聞け!」という意味だった。最近では「今年の東大出はあれとあれだ!」ということは、「何かあっても奴に聞いても無駄だ!」という意味に変ってしまった。今、わが社で、金の卵だと言われている学生は「日大運動部の卒業生」なのだ。

 人間は長所がそのまま短所になる。短所はそのまま長所になる。小中学校時代に長所だった「真面目で、新しい物にも関心を持たず、理解力と記憶力がいい」、だから成績が良かった人は30才までにつぶれてしまう。とても経営者として成功するはずがない。

 自分の興味のあることしか勉強をしようとしない人、創造力型の人は他人の細かい異議には目を貸さず自分のやりたいことを強力に押し進めることができるので、大きな仕事をやり遂げることができるのだ。
 こうした創造力型の人が30代になっても花が開かない条件が一つだけある。それは青少年時代に、「お前はダメだ」といわれ、「俺はダメだ」と劣等感、コンプレックスを持ってしまった創造力型の人は30代になっても花は開かないのだ。・・・

 次回は、塩野七生氏「21世紀を迎えるにあたって」のエッセンスを掲載予定です。

8 件のコメント:

  1. しげやん^-^おはようございます^-^
    atitiいつも思うのに、勉強が出来たら仕事も一流かと思ったら違うように思います^^世間に出ても少し浮世離れしているように思います。以前の事、会計士が国立大出の人でしたが仕事が出来なくて困った事を思い出しました。
    しげやんのブログにも書かれていますが自分の興味のある事は一生懸命するようですよ!
    しかしこの世の中学歴社会ですから勉強は大事ですが!
    しかし世間に出たら人生勉強もしてほしいですね^^
              atiti

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  2. こんにちは。
    記憶力と想像力が足して10という法則はおもしろいですね。
    私は、記憶力が0.5想像力が9.5ぐらいでしょうか。
    記憶力は病的なぐらいないんですよ。
    だから旅に出ると何でも記録しておくし、ブログも書いているんだと思います。
    記憶力がないと、映画でも本でも何度でも楽しめてそれもラッキーかもしれません。

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  3. RE: atitiさん
    世の中に「専門バカ」といわれる類の人々がおります。専門分野にはきわめて強いが、対人関係がダメだ、という人たちです。有名大学の教授、法律家、専門分野で名を挙げた人たちには、この種の人が多いです。
    専門分野には強いが、社会性、対人関係に弱い人々です。

    上にある2大基本能力(記憶力・創造力)が適度にバランスが取れていないとダメだということでしょうか?
    いくら専門知識にすぐれていても人間関係・対人関係に弱い人には営業に仕事は務まらないでしょうね!

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  4. RE:   megumeguさん
    仰られるほど極端ではないでしょうよ!創造力はあるほうだと、しげやんも理解しますが、BLOGをあたかもドキュメント風に書くには記憶力がないと、ああは行かないでしょう!それともメモする習慣がちゃんと身についてられるのですか?それは、それで見習うベキことでしょう!
    しげやんが採点するに、創造力6.5記憶力3.5、このぐらいと違いますか?感性は相等なものです。

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  5. こんばんわ

    私は忘却力で生きてますが、なにか?
    ふふふ。

    しかし、それでは
    毎回同じことを繰り返し失敗するので
    自分がめげます。

    学習能力の向上(記憶する)
    私の人生課題です。

    そして、家族からは毎日
    落ち着いて、常識的にねって。
    能動的に行動すると
    ストップがかかります。
    うまくいきません。
    あ、それは空想癖の悪い形で
    創造性とは違うのですね。

    私は本当に記憶型からは程遠いところに位置する
    勉強もできない、落ち着きのないタイプなんだな。
    クラスの問題児じゃん!(今頃知る)

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  6. RE* ばっちゃんさん
     お仕事ようやく一段落とお見受けします。忘却力でいきていると仰いますが、何かインプットされていたものがアウトプットされた訳で、それだけ不要なものを消し去って記憶容量が大きくなったとお喜びください。だって、PCでは何時もやってることじゃぁありませんか?わかります?

    空想癖が?とおっしゃいますが、それは空想癖ではなくて幻想癖か妄想癖ではないでしょうか?現実から離れたい願望の精からと思います。心配不要です。かつて詩人のハイネが言いました。”山の彼方の空遠く 幸いすむと人のいう・・・” 誰にだって現実から逃れたくなることが多々あります。漱石がいいました。”人が住みにくいとわかったとき、詩が生まれ画がうまれる”と・・・

    芝居のシナリオを書こうとしている人にこのぐらいの夢みる気持ちがなくてはいけません!
    それから、問題児の件ですが、みんな金太郎飴でみんな一緒では面白くはないじゃぁありませんか!
    以上でよくわかりましたか?今の生地が”ばっちゃん”の個性です。ご安心下さい!

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  7. RE* ばっちゃんさん
    かつて、しげやんが、ばっチャンさんのことを、「サザエ」さんと名付けたのか付け加えるのを忘れていました。これからもいい得て「妙」といまでも思っています!

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  8. しげやんさん

    心をこめて
    ありがとう!!
    と申し上げたいと思います。

    サザエ的であることの幸せよ。

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