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2010年1月7日木曜日

7日・「温故創新」の「創新」を実現し再生を遂げた和歌山電鉄・貴志川線物語!






















 
 昨日6日は「温故創新」について記したが、地元和歌山では、これをまさに地で行った話がある。南海電鉄が貴志川線から撤退して、その後を「産」「官」「民」が三者一体となり強力なスクラムを組み地域再生を遂げつつあるお話である。
 そこには卓越した経営手腕の持ち主である和歌山電鉄児島社長さんと社長に見出され同社の業績に大いなる貢献を果たした終着駅の貴志駅「たま駅長」のコンビがある。
 さらに、地元住民で組織する「貴志川線を守る会」のボランティアの熱心な活動も見逃せない。まさに絶妙の組み合わせが貴志川線廃線に危機を克服し、将来に向かって開けた展望までもつにいたった起死回生の物語である。

 この話をすると、まさに一冊の本になってしまうのだが、この中から最小限に絞って和歌山電鉄の児島社長の眼力と社長に見出され、同社に大いに貢献を果たしている全国的人気者いや世界的にも知られるにいたった
貴志駅の「スーパー駅長・たま」(本年1月3日、同社の執行役員に就任)の大活躍に話題を絞って2回に分けて記事にすることにさせていただく。まず、今日は貴志川線の沿革と南海電鉄から和歌山電鉄の譲渡され、その後どのように復活を遂げつつあるかを中心に進めることにいたしたい。

「産」・「官」・「民」の三者一体で見事復活を遂げた和歌山電鉄貴志川線、立役者は「たま駅長」と卓越した素晴らしい創造力と実行力でこれを推進する児島社長さん!

―「たま駅長」の発掘起用や「おもちゃ電車」「イチゴ電車」「たま電車」の企画運行を始め、年間50にも及ぶイベントを開催するスーパー推進者―



1990年代には和歌山の貴志川線沿線は宅地開発が進んだが、自家用車利用が多く利用者は伸び悩んでいた。

日本経済新聞(2003.11.22)
 南海電気鉄道は21日、和歌山市と和歌山県貴志川町を走る貴志川線(14.3キロ)の廃止を検討していることを明らかにした。10月中旬に和歌山県と両市町に対して説明した。廃止時期などは未定。道路整備に伴う旅客の自動車へのシフトや景気低迷で輸送人員が減少、赤字が続いていた。100円の運賃収入に対して経費は244円を要するとしている。
 貴志川線は「和歌山―貴志」間で14の駅がある。年間輸送人員はピーク時の1974年度には361万4000人だったが、減少傾向が続き、2002年度は199万2000人に落ち込んでいた。経常損益は5億円の赤
 同線は61年に和歌山電気軌道との合併に伴い、南海の直営路線となったが、合併以降、黒字になったことはないという。

 2004年8月には、南海電気鉄道が2005年9月末を以って同線から撤退することを発表し、和歌山県・市・貴志川町では存続に向けて沿線住民が主体となり二十数万通の嘆願書の署名を集め陳情におよんだが、受け入れられず2004年9月に国土交通省近畿運輸局に鉄道事業廃止届出書を提出した。

 これに対し2005年2月和歌山県、和歌山市と貴志川町(当時)は貴志川線存続で合意、事業の引き継ぎ先を公募した。同時に、県・市町は貴志川線を下記の内容で支援することを公表した。
•貴志川線の鉄道用地は、南海電気鉄道から和歌山市と貴志川町(当時)が約2億円で取得し、これを和歌山県が全額補助する。
•今後想定される貴志川線の施設整備(変電所の大規模改修等)に対して、和歌山県は2.4億円を上限にその経費を負担する。
•南海電気鉄道から運営移管後10年間の運営費補助(欠損補助)は、和歌山市65%・貴志川町(当時)35%の割合で8.2億円を上限に実施する。

 2005年4月には、9つの企業・個人の中から両備グループの岡山電気軌道が選ばれた。そして2005年(平成17年)4月28日、岡山電気軌道が事業を引き継ぐことを発表した。
岡山電気軌道が和歌山市に設立する新会社のもとでの運行開始予定を2006年(平成18年)4月1日とし、2005年(平成17年)6月に運営会社として和歌山電鐵が設立され(岡山電気軌道株式会社100%出資)、2006年(平成18年)1月に国土交通大臣に鉄道事業譲渡譲受認可申請書が提出され、2006年(平成18年)4月1日から同社のもとで運行されることになった。
年表
•1916年(大正5年) 2月15日 山東軽便鉄道により大橋駅 - 山東駅(現在の伊太祈曽駅)間が開業。
•1957年(昭和32年)11月1日 和歌山電気軌道が和歌山鉄道を合併、同社の鉄道線となる。
•1961年(昭和36年)11月1日 南海電気鉄道が和歌山電気軌道を合併。鉄道線は貴志川線となる。
•1968年(昭和43年)3月1日 東和歌山駅を和歌山駅に改称。
•2003年(平成15年)11月 南海電気鉄道が貴志川線の廃止を検討していることを表明したことにより存続問題が浮上する。
•2004年(平成16年)8月10日 南海電気鉄道が2005年9月末を以って同線から撤退することを発表。
•2004年(平成16年)9月30日 南海電気鉄道が国土交通省近畿運輸局に鉄道事業廃止届出書を提出。
•2005年(平成17年)2月4日 和歌山県、和歌山市と旧貴志川町が貴志川線存続で合意、事業の引き継ぎ先を公募。
•2005年(平成17年)4月28日 岡山電気軌道が事業引き継ぎを発表。
•2005年(平成17年)6月27日 貴志川線の運営会社として和歌山電鐵が設立される。

•会社概要COMPANY OUTLINE
•商号・和歌山電鐵株式会社
•本社住所・〒640-0361 和歌山県和歌山市伊太祈曽73
•Tel. 073-478-0110  Fax. 073-466-3577
•設立日・平成17年6月27日
•資本金・30,000千円
•代表者・代表取締役社長 小嶋光信                                                                 
•    代表取締役専務 礒野省吾
•役員・ 取締役 渡邉寛人・監査役 岡田伍郎           執行役員  瀬川洋治 たま

•2006年(平成18年)4月1日 和歌山電鐵による貴志川線運行開始
•2006年(平成18年)8月6日 水戸岡鋭治がデザインした「いちご電車」の運行を開始。
•2006年(平成18年)10月16日 第5回日本鉄道賞表彰選考委員会特別賞を受賞(受賞盾は「いちご電車」車内にあり)。
•2007年(平成19年)1月5日 三毛猫の「たま」が貴志駅の駅長に就任。同時に、同居する猫「ミーコ」(たまの母親)と「ちび」が同駅助役に就任。
•2007年(平成19年)7月29日 「おもちゃ電車」運行開始。

2008年(平成20年)10月3日 関大宮本教授が「たま駅長」の経済波及効果が年間11億円と発表。 ◎2008年10月21日たま駅長に和歌山県勲功爵(ワカヤマ・デ・ナイト)が授与されます
 本日(10月21日)、和歌山県の仁坂知事が、「たま駅長が和歌山の知名度を上げたこと」により、たま駅 長に表記の称号を授与すると発表がありました。ワカヤマ・デ・ナイト(騎士と貴志を掛けてます。)は、 和歌山県が動物を対象とした表彰制度で、たま駅長は、栄えある第1号の受賞となった模様です。
 これもひとえに、ブログファン・駅長ファンの皆様の応援のおかげでございます。心より、感謝申し上げま す。本当にありがとうございます。
 表彰は、仁坂知事により、10月28日、午前11時から貴志駅で執り行われる予定です。
•2009年(平成21年)1月3日「たま駅長」スーパー駅長に昇進
•2009年(平成21年)3月21日 「たま電車」運行をはじめる。たま電車の改装費用は約2500万円、このうち「たま電車」サポーターによる募金総口数1943件、金額1371万円が集まる。改装費用の55%を実に募金で集めたことになるが、いかに「たま人気」が高いかの証であろう。
•2009年(平成21年)5月28日 和歌山電鉄児島社長が和歌山県知事賞表彰を受ける。         和歌山電鐵の小嶋光信社長が、「地域おこし」部門において和歌山県知事賞を受賞しました(受賞理由は下 記の通り)。小嶋社長は、5月28日(木)和歌山市・アバローム紀の国において挙行された「平成21年  和歌山県知事表彰」受賞式に出席、61人の受賞者を代表して「受賞者代表のことば」を述べられました。  和歌山県知事賞受賞理由 地域一体となった事業運営や、三毛猫{たま}を民間鉄道では全国初となる猫駅 長として任命した他、今までにないユニークなアイデアで日本だけでなく、世界的にも話題を呼ぶなど、和歌山県の地域おこしに多大な貢献をした。                                   ・ ________________________________________
2009年7月 のアーカイブ
「たま電車」サポーターにご協力くださいました皆様へ                                和歌山電鉄株式会社  
2009年7月29日 水曜日
「たま電車」サポーターにつきましては、合計1,943件、1,371万円ものご協力をいただきました。
大変感謝いたしますとともに、責任の重大さを改めて痛感しております。心より御礼申し上げます。
第2次募集分(2月1日~5月10日受付分)の記念プレートにつきましては、7月31日より「たま電車」車内に設置させていただきます。
皆様のご期待に背くことなく、安全運行を第一に努力してまいりますので、今後とも、益々のご愛顧のほど切にお願い申し上げます。

 代表取締役 小嶋光信
 弊社社員一同
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スーパー駅長「たま」の経済波及効果、年間11億円・2008.10.03+         
 和歌山県紀の川市の和歌山電鐵貴志川線貴志駅
 
たま駅長の経済効果は11億円-。関西大大学院の宮本勝浩教授は、和歌山電鉄貴志川線の無人駅「貴志駅」(和歌山県紀の川市)で駅長を務める三毛猫「たま」の就任1年間の経済波及効果をまとめた。
 試算によると、就任した2007年1月からの1年間は、乗客が前年より約5万5000人増え、運賃収入だけで約1500万円増。写真集や関連商品の波及効果は約2700万円と算定、隣接する和歌山市の観光客増にも貢献したと推計した。
 一時は廃線寸前まで追い詰められた貴志川線。たまが駅長に就任して以降、写真集やDVDが発売されるなどアイドル並みの人気が出て、全国から観光客が訪れている。
 宮本教授は「猫を駅長にするという奇抜なアイデアで、町おこしが大成功した」と話している。

 次回は和歌山電鉄児島社長による会社発足から今日までの歩みの中で、奇跡的な「たま」との出会い、そしてたまを駅長に任命した経緯、「たま駅長」の目を見張る活躍と会社への貢献、そして同社の将来展望を、社長自らの口でインタービユーを交えてかたって頂きます。 乞う ご期待を!

2 件のコメント:

  1. しげやん^-^コンニチハ~^^
    沢山UPされましたね^^貴志川線atitiとうとう乗らずに和歌山電鉄に変ってしまいました^-^
    時代を一つ超えてしまいましたね^-^
    しかし未だにたま電車にも乗ったこともないですがたま駅長には会いに行きましたよ。以前atitiのブログへ・・・でUPしましたよね^-^
    こんなに人気者になるとは思っても見ませんでした
    まさしく「温故創新」ですね
    小嶋社長流石です
                     atiti

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  2. Re:
    ”たかがネコ一匹、されど猫一匹”どうあがいても「た
    ま駅長」に敵いませんなぁ!
    それに和歌山県知事からナイト(爵位)を贈呈されてるし、会社では役員待遇、ただしメタボ気味で年齢もこの
    4月末が来れば満11歳、そろそろ引退の年が近い。
    会社は後継者をどう考えているんかいなぁ!
    明日も続きます。まだまだ面白くなります。乞うご期待!
               BY しげやん0710

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