2010年1月から綴ってきたブログをマイナーチェンジしました。09年にはアメリカで初の黒人大統領オバマが誕生し「CHANGE]という言葉が流行語となりましたし、わが国でも政権交替が行われました。 このブログでは歴史ある地元紀州の「温故」と「知新」に倣って、さらに一歩踏み込んだ「創新」を視点として「温故創新」を採り上げて参りましたが、「街おこし」に熱心に取り組まれておられる方々とも連携しながら、さらなる充実を図ってゆきたく、タイトルも[徒然なるままに地元の『温故創新』を訪ねある記]と、より視点を明らかにしました。 なにとぞ、従来にも増してご支援下さるようお願い申し上げます。
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- 3月24日・「成熟した会話のマナー」ー一旦口から出た言葉は決して元には戻らないー
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2010年3月24日水曜日
3月24日・「成熟した会話のマナー」ー一旦口から出た言葉は決して元には戻らないー
春の彼岸の間はブログを、しばしお休みさせて頂き、彼岸明けに「言葉のマナー」についてコメントしようと思っていたところ、選抜高校野球の試合終了後、大方の予想に反して敗北した強豪高校の監督さんが、インタービューに応えて発言した言葉が、とんでもない暴言であったと大きな反響を呼び、この言葉を巡ってその発言の真意を弁明するなど、この発言を巡って大きな渦がうず巻いている。
一旦口から発した言葉は決して元には戻らない。
"覆水盆に戻らず”の譬えどおり、われわれも口から言葉を発するときには、よほど慎重に発言しなければならない。
自分の発言に対して、国民に「誤解」を与えたことにお詫びするとは、政治家がいつも口にする常套文句であるが、わたしはそうは思わない。
"火のないところに煙は立たぬ”の譬えどおり、「火」を立てたのは政治家本人であり、「火」を立てたのだから、結果として「煙」が出たのである。
これを「誤解」という一言で片付けようとする政治家本人の心理が分からない。自分が発言したことは正しくて、これを誤って受け取ったのは国民の側にあると、そう海を隔てた隣の北朝鮮の金正日総書記と同じ発想なんだろう!
これまた、”頭隠して尻尾隠さず”のように、嘘がミエミエである。まさしく詭弁でなくてなんであろうか?
丁度「言葉のマナー」について書こうと思っていたので、この件は反面教師として格好のモデルを提供してくれた。
ことの真相はこうだ。
<センバツ>開星監督「21世紀枠に負けて末代の恥」と発言(毎日新聞 03月22日)
第82回選抜高校野球大会で22日、21世紀枠で出場した向陽(和歌山)に1-2で敗れた開星(島根)の野々村直通(なおみち)監督(58)が、試合後のインタビューで「21世紀枠に負けて末代の恥です。 切腹したい。 死にたい。」などと発言した。日本高校野球連盟は「事実確認をしたい」としており、発言の趣旨などを確かめる。
野々村監督は「恥ずかしくて立ち上がれません」とも述べた。
21世紀枠は、昨秋の都道府県大会ベスト8以上の学校などを対象に地域への貢献活動など野球以外の活動も加味して選考している。
取材に対し、開星の大多和聡宏(あきひろ)校長は「監督と連絡がつかない」としながら「仮に相手に失礼な発言をしたのなら、礼儀に反すること。まずは事実関係を把握し、(監督に)指導すべき点は指導したい」と述べた。
野々村監督は毎日新聞の取材に「相手を侮辱する気はなかったが、侮辱ととられたら謝りたい。負けた直後で冷静さを欠いていた」と話した。
この監督さん、名前がノーノー(ムラ)ナオミチといい、余程の正直者とお見受けする。自分の思ったこととは反対には、ノー、ノーで、自分が思ったとおりなら、ナオミチ(直道)通り、まっすぐに突き進む、そうイノシシのようにまっすぐな性格なんだろう。
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(クリックすれば拡大します)
「閑話休題!」 ハナシを元に戻そう!
朝日新聞の土曜日には「Be」版という付録ページが付いていて、そこには日野原重明(聖路加国際病院理事長)『98歳・私の証、あるがまゝ行く』や磯田道央(歴史学者・茨城大准教授)の『この人、その言葉』等まことに興味深い読み物が連載されている。
先週の日野原氏の記事は「成熟した会話のマナー」とあり、先にテレビの討論番組における討論や解説番組どの語りかけ方の未熟さについて触れ、「日本人と会話をテーマ」に考えようとして、氏は日本人同士の会話を聞いていると、「マナーを心得ていない人が多いことに気付きます。相手の意見を聞かず、自分の意見を長々と話す人が少なくありません。」と指摘し、医療現場の例を挙げ、医師は診察室で患者さんの病歴を聞きますが「こういうことがありますか?」などと、「はい」か「いいえ」 だけで答える質問、専門用語で「Closed question」という問いかけばかりしてしまう医師には、病気の本体が分かりません。
それに対して、「どんなことが起こりましたか?」「どのように進行しましたか?」などと、詳しく答える「Open question」をして、答えを考える時間も十分与えれば、患者のあるがままの状態を把握することができます。名医とは、このような質問が上手にできる医師をいうのです。とあります。
氏は続いて、こうした会話のマナーは誰がいつ教えるのでしょうか。氏はまずは家庭、それも食卓で、親から子供へ正しいマナーが教えられていくべきものだと思います。口の中に食べ物がまだ残っているのに発言するのは、いかにも品がありません。また、人の話題を奪い取るかのように発言することもマナーに全く沿わない行動です。食卓のマナーは会話のマナーであり、ひいてはテレビ番組内での討論や座談の成熟にも繋がっていくものと思います。(以下略)とありました。
話は変わりますが、このことによく似た話に、さきに挙げた磯田道央氏の『この人、その言葉』シリーズに、約一月半ほど前に載せられていた、話術の達人といわれた「徳川夢声(1894-1971)」の「良い話をするには、別に雄弁を必要としません」という文章がありました。
ご存知、徳川夢声氏は森繁久彌氏と並び称される文字とおりマルチタレントで、ある程度歳がとられた方には記憶に残っていることと思います。テレビ時代に入る前に活躍された人だけに今では伝説の人ですが・・・
ここには、徳川夢声特有の語り口で述べた興味深いハナシがありました。
そこで、今回は2.3回に分けて徳川夢声の類まれなる話術の巧さが生まれてきた拠り所や、彼が日頃から気がけていた話術の勘所といったものを、かいつまんでお伝えしようと思います。ご静聴下さい。
「良い話をするには、別に雄弁を必要としません!」
磯田道史(歴史学者・茨城大准教授)の「この人、その言葉」を紹介すると「良い話をするには、別に雄弁を必要としません」徳川夢声(1894~1971)、話すのが苦手という人は多い。この国最高の話術の達人、徳川夢声が「ハナシ」の極意を『話術』という本に書き残している。
夢声はもともと無声映画を解説する活動弁士。ラジオやテレビで活躍しその話術は日本中を魅了。「話術の神様」とまでいわれた。 若い世代にはなじみがないが、「彼氏」「恐妻家」という単語もこの夢声の造語。1930年ごろ、彼がラジオでひろめた(『明治大正新語俗語辞典』)。
夢声はいう。ハナシはコトバの材料で建てる建築。上手に話すには(豊富なるコトバの整然たる倉庫)になれ。と・・・
本の音読や落語や他人の会話をきき、声調・口調、間の取り方を工夫するのもいい。しかし夢声は冒頭のように、雄弁は絶対条件でないという。ハナシも最後はその人の人格に行き着く。(ハナシは人格の表識。故に、他人から好意を持たれる人格を養うべし。あえて聖人たれとは申さず。ハナシには、個性が絶対必要なり)。良い心と強い個性を養うことが話上達の極意と断言した彼は人と会話するときの「座談十五戒」も残している。
「座談十五戒」
「一人で喋るな。
黙り石となるな。
(威張って)反り返るな。
馬鹿丁寧になるな。
お世辞屋になるな。
毒舌屋になるな。
(愚痴の)コボシ屋になるな。
自慢屋になるな。
ぼら吹きになるな。
知ったかぶるな。
賛成居士になるな。
反対居士になるな。
軽薄才子になるな。
朴念仁になるな。
敬語を忘れるな」
(磯田道史氏談)これらは、すべて他人への配慮である。言葉は人の心を温めるためにある。それさえ押さえておけば、話術なくとも、みんな話の達人だ。
この話術の神様が死に際に発した最後の言葉は妻へのもの。「おい。いい夫婦だったなあ」であったという。 むべなるかな!
(次に続く・・・!)
徳川 夢声(とくがわ むせい、1894年4月13日 - 1971年8月1日)は弁士、漫談家、作家、俳優。ラジオ・テレビ番組などをはじめ、多方面で活動した日本の元祖マルチタレントとも言える人物である。本名は原駿雄(ふくはら としお)。日本放送芸能家協会初代理事長。
初め活動映画(無声映画)弁士として出発、昭和の時代になって、音声の出るトーキーが登場すると弁士の必要はなくなり、漫談や演劇に転じる。 1926年(昭和元年)に古川ロッパらと元弁士らの珍芸劇団「ナヤマシ会」を結成。1933年(昭和8年)、やはりロッパらと劇団「笑ひの王国」を結成するも意見の相違ですぐに脱退。1937年(昭和12年)、岸田国士、杉村春子らの文学座に参加。ただし、新劇俳優としての夢声については悪評の嵐であり、文学座を退団。他に、映画にも俳優として出演する。
また、漫談の研究団体「談譚集団」を結成。メンバーは、大辻司郎、山野一郎、松井翠声、泉虎夫、奈美野一郎、木下華声、5代目蝶花楼馬楽(後の林家彦六)ら。また、夢声の弟子の丸山章治、福地悟郎、吉井俊郎、木戸竝であり、月に1回、新作漫談の発表会をやっていた[2]。
なお、夢声は早くから老人めいた雰囲気があり、40代から「夢声老」と、50代では「夢声翁」とよばれていた。ラジオでも活躍。1939年から、NHKラジオで吉川英治の『宮本武蔵』の朗読を始め、人気を博す。独特の「間」は夢声独自のものであった。
文筆に優れ、「新青年」などにユーモア小説やエッセイを多数執筆。1938年(昭和13年)、1949年(昭和24年)の直木賞候補にもなった。 また、俳句好きで、1934年(昭和9年)から久保田万太郎が宗匠の「いとう句会」に所属し、句歴三十年に及んだ。ただし、毎日のように作ったので膨大な凡作の山である。
日々、詳細な日記をつけており、その一部は『夢声戦争日記』として出版され、戦時下の生活の貴重な資料となっている。また、自伝や自伝的な書も何冊も出しており、それらの執筆に日記が役立ったと思われる。
第二次世界大戦後は新しいメディアの波に乗り、ラジオ・テレビで活躍した。NHKラジオのクイズ番組『話の泉』のレギュラー回答者などを努め、またテレビ放送も初期から関わり、NHKテレビの『こんにゃく問答』(柳家金語楼と競演)などに出演、日本におけるテレビ創生期の立役者のひとりである。
1953年(昭和28年)の、エリザベス女王の戴冠式には、特派員として訪英。また、娘が日系アメリカ人と結婚していたため、その帰りにアメリカにも寄って娘や孫と会い、その旅を著書『地球もせまいな』にまとめた。
1955年(昭和30年)、「年ごとに円熟を示している各方面における活躍」により、菊池寛賞を受賞。
代表作のラジオ朗読『宮本武蔵』は戦後も、1961年(昭和36年)-1963年(昭和38年)にかけてラジオ関東(現・アール・エフ・ラジオ日本)にて放送。2002年(平成14年)から同局と東海ラジオで再放送されている。また、この『宮本武蔵』は1971年(昭和46年)に同局開局15周年記念としてレコード化され、エレックレコードから発売された。1965年(昭和40年)には愛知県犬山市にオープンした博物館明治村の初代村長となった。1971年(昭和46年)8月1日、脳軟化症に肺炎を併発して死去。享年78(満77歳没)。
著書、映画作品多数。
徳川夢声市民賞・夢声の生地である益田市が、2001年より、夢声にちなんで話芸に秀でた人を表彰する賞として授与している。以下この賞を受賞した錚々たる顔ぶれを見ただけでもこの賞の凄さが分かるというもの!
•第一回(2001年) 小沢昭一
•第二回(2002年) 中村メイコ
•第三回(2003年) 加賀美幸子
•第四回(2004年) 永六輔
•第五回(2005年) 山川静夫
•第六回(2006年) 浜村淳
•第七回(2007年) 宇田川清江
•第八回(2008年) 平野啓子
•第九回(2009年) 山根基世
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しげやん^^こんばんは~^^
返信削除言葉ってメッチャ大切です!
言葉で癒され、言葉で傷つき!
確かに自分はそんなつもりで言った事がないのに変に取られたりします。余程言葉には気をつけないといけませんね^^
atitiは特に気をつけないといけません^^反省の毎日です!
atiti
RE: atitiさん
返信削除都々逸の文句に”丸い卵も切りようで四角 ものも言いよう
で、角がたつ”というのがあります。
口から一旦発した言葉は取り戻しができません。
したがって、相手に失礼に当たらぬよう、しかも自分の言い
たいことはチャンといわなければイケません。
ペンは武力よりも強し、といいます。
おっしゃるように、言葉は、相手を励まし、癒し、場合によ
っては傷つけ立ち直れないまでに痛めつけることさえあります。政治家でなくとも心すべきはものの言いようです。