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2013年8月10日土曜日

わたしにとっての「終戦記念日」とその前後の学校教育(その.1)

わたしのとっての「終戦記念日」とその前後の学校教育


 
 まもなく68回目の終戦記念日(8月15日)を迎えようとしている。戦後生まれが人口の7割を占める現在、「憲法改正」「軍備増強」等右傾化路線に舵を切りつつある内閣をみていて、この著書から学ぶべきことが多いのに気がついた。改めて「将」たる度量とは何なのかを問いたい。

 まづ始めに、わたしがこの本を読もうとした経緯から始めたいと思う。
  わたしの青少年時代は、思想が180度転換した時代に育った。軍事色強いなか、小学校に入学する前年の昭和15年は「皇紀2600年」の大祝賀行事があり、翌年小学校が国民学校に改称され、校門を入るとすぐに「奉安殿」という立派な建物があり、中には「天皇・皇后両陛下のご真影と教育勅語」が収納されていたように聞く。この前を通るときには最敬礼してから通らねばならない。

 月1回校長先生の訓話があり、このときは掲げられたご真影に最敬礼し、読み上げられた教育勅語を頭を垂れて拝聴する。もちろん教育勅語や歴代天皇の御名は暗記することが必修。子供ながら「皇国史観」にどっぷり漬けられた教育で、男子教員はごく少数で、殆どが女の先生、それが男性の先生の代わりを務めるのだから、生徒を殴るや蹴るのは日常茶飯事、素手で殴るには自分の手が痛いから、革靴のウラ殴る。体罰にバケツに水を一杯張ったのを両手に持たされ廊下に直立不動の姿勢で直立させられる。
 

 やがて食料難で校庭が畑になり、授業が近くの山に落ち葉集めが代わりになった。そうこうしているうちに学校の教室が特攻隊の部隊の宿舎になった。
"撃ちてし止まん””欲しがりません、勝つまでは”、”1億総玉砕”が、その当時の言葉であった。

 戦争の進行に伴い、敵国からの空襲が増え、言論統制が敷かれているため、報道される発表は「大本営発表」のみで、不都合な情報はシャットアウト、こうして昭和20年に入ると爆撃が日本全国に及び、7月9日はついに和歌山大空襲、8月6日には広島に原爆が投下され、9日には長崎にも原爆投下、この間隙をついてソ連が日本との不可侵条約を一方的に破棄して参戦、わずか1週間ばかりの参戦で武器を持たない日本を蹂躙。満州国から多数の人々をシベリア抑留し、零下◯十度という中で強制労働を強いられた。不条理な参戦で戦勝国入りしたソビエトに「勝てば官軍、負ければ賊軍」の想いを強くした。

 そして昭和天皇の決断によって8月15日正午「終戦の勅の玉音放送」で、無条件降伏を受け入れた。まもなく68回目の終戦記念日を迎えようとしているなか、わたしは目下「昭和史」を再読中、以前にも読んだが、現在の自民党・安倍政権下における政治の方向性を見いだそうと、安倍首相の祖父に当たる「安保闘争」を武力で押さえ込んだ岸信介内閣がおこなったことを、自分の目でもう一度再確認しようと思い立ったからに他ならない。
 父親の安倍晋太郎元外相が多忙のなか、祖父である岸信介の薫育のもとで育てられた安倍晋三首相には、祖父岸信介がなし得なかった課題を孫に託す”三つ子の魂百まで”を色濃く感じ取るからである。
云うまでもなく岸信介は満州国次長であり、東条英機内閣の商工大臣として軍事政権に名を連ね、A級戦犯に指名(のち解除)されたその人である。弾圧はお手のものである。
 
このようにして敗戦を受け入れた日本は学校教育方針も180度の大転換、「皇国史観」が「デモクラシー」へとなった次第である。同じ先生の教えることが、昨日までにことは偽りで、これからがデモクラシーの正しい教育というんだから、教える立場の先生は、教えられる立場の生徒にしても大混乱だったに違いないが、この辺のことはあまり記憶が確かではない。
 新しい教育に使う教科書とてなく、わずかに先生が一冊だけ所持するだけ、しばらくは元々学んでいた教科書の不都合な部分を墨で塗りつぶすことから始まった。そうすると教科書は殆ど真っ黒けで使い物にならない。そういう学年を一年余り送ると、今度は新制教育制度が誕生した。新制中学校までが義務教育になり、これに対応する校舎や教科書・教具の類いも揃わない中で授業が進められた。



戦前編(1926~1945)
戦後編(1945~1980)
 
 
 言うなれば通学はしたが、満足がゆく授業は受けられず終い。何もかもが不自由な新制中学を経て新制高校から大学へと・・・そういう次第でわたしの中には大事な次期に大事な教育が受けられなかった想いが強く、、これが自分で学習しようとの意識を抱く要因となったと思います。
そして読んだのが半藤一利「昭和史」(戦前編・戦後編)「幕末史」である。    (つづく)
                                                                         
   
  

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