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2013年3月27日水曜日

古典物「娘道成寺」で有名な道成寺の「入相桜」

 一昨25日に近場のサクラを見に廻ったときは紀三井寺の標本木の桜は4~5分咲きであったが、昨26日午後満開宣言が出された。このように気温の仕業で1日にして半開が満開になるとは
”花の命は短くて・・・とは、林芙美子の有名な言葉だが、桜の紹介も先を急がなくてはと思い、
紀三井寺の満開の桜の紹介と、古刹「道成寺」の「入相桜」の満開風景(25日現在)を紹介させていただこう。
 
 
(紀三井寺の桜開花状況)
 
3/25・5分咲き

3/26午後・満開宣言
 
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道成寺 (どうじょうじ)は、和歌山県日高川町にある天台宗の寺院。道成寺創建にまつわる「髪長姫伝説」(「宮子姫伝記」)や、能、歌舞伎、浄瑠璃、文楽の演目として名高い、「安珍・清姫伝説」で知られる。創建は大宝元(701)年、文武天皇勅願によるとされる古刹である。
 
ここの境内には文楽「日高川入相花王(いりあいざくら)」の題名にもなった「入相桜」が満開を迎え、観光客らが春を満喫している。初代の「入相桜」は入相桜は和歌山県の天然記念物に指定されていましたが、大正年間に台風で幹が折れ、指定は解除されました。幹は折れたものの、根本から別の芽が出て、今では再び大木の桜となって枝を広げています。初代の「入相桜」は江戸時代後期に編纂した「紀伊名所図会」に記載されています。
 
道成寺境内

道成寺名物「入相ザクラ」
「紀伊名所図会」の載せられた「道成寺・入相桜」

  
 



まるで山のような姿をした一本桜の名は、道成寺の入相桜。
かつて樹齢数百年の桜があり、昭和初期に台風で折れてしまった。それが初代の入相桜。
折れた初代の根元から自生したのが、この二代目入相桜。
(和歌山県日高郡日高川町・道成寺 )


道成寺では、昭和50年代に境内の発掘調査が行われ、法隆寺を左右逆にした伽藍配置であった
ことがわかりました。とすれば、法隆寺に今も残る鐘楼の位置を、左右逆にして道成寺にあてはめ
ると、道成寺の初代鐘楼の場所が推定できることになります。そうして割り出された場所には、
入相桜(いりあいざくら)という桜の植え込みがありました。
この桜は、江戸時代の「紀伊国名所図絵」にも出てくる大木で、三十三本の支柱で支えられ、
六間(約10メートル)離れた本堂の縁側まで枝が届き、縁側から桜を和歌に詠んで、短冊を枝に
つるせた、と記されています。
安珍清姫伝説にちなむ文楽が作られた時、この桜にちなんで「日高川入相花王」(ひだかがわいり
あいざくら)と名付けられるほど、江戸時代には有名な大木でした。古今和歌集に能因法師の和歌
があります。

”山里の  春の夕暮れ  来て見れば  入相の鐘に  花ず散りける”   能因法師

 
 
お寺の鐘は、日の出と日没のころに六つずつ打つことが多いようです。このうち夕方の鐘は、日の
入り合い時に打たれるので「入相の鐘」(いりあいのかね)と呼ばれます。
道成寺では、いつの時代か釣鐘がなくなり、鐘楼の跡を踏み荒らさないように桜が一本植えられた
のではないでしょうか。夕方になり、「ああ、本当なら入相の鐘を打たねばならないのに」と思いなが
ら見上げるうちに、その桜はいつしか入相桜とよばれるようになったのではないでしょうか。


開花状況(シダレザクラ)満開。      
(シダレザクラ)満開。
道成寺裏山から境内にかけてソメイヨシノ、シダレザクラが約300本ある。境内にある本堂そばのシダレザクラが有名。能や歌舞伎・文楽で語られる「日高川入相花王」の入相桜2代目がある。
       
道成寺 お花見&桜情報
  • ビューポイント:道成寺の裏山
  • 桜祭り:桜・舞・道成寺 3月30日~3月31日 桜の舞う道成寺境内での日本舞踊等の道成寺もの公演(3月31日は有料)
  • 見頃:3月下旬~4月中旬


 
以上
 

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