ブログ アーカイブ

2011年10月3日月曜日

3日・「泣きたい時こそ笑いましょうよ!」(東日本大震災によせて)-女優・戸田恵子さん

  朝日新聞読者にアサヒ「アスパラ・クラブ」という特典がある。
これに入会すると、年4回[aspara NEXT-AGE]というパンフレットが送られてくる。
すこし前に送られてきた「秋号」には、そのなかに女優・声優・歌手として名を知られてた戸田恵子さんが川村次郎氏(元・『週刊朝日』編集長)がインタービューして記事にまとめた文が載せられていた。
戸田恵子さんというとアンパンマンでも人気があり、三谷幸喜氏脚本の演劇でも活躍しているので、ご存じの方も多いと思う。
題して「泣きたい時こそわらいましょうよ!!」。

世のなか世界不況で閉塞感がつよく、わが国でも東北地方の復興、福島第二原発の事故終息の見通しも見えず、円高加速が我が国の企業に及ぼす影響等を考えるとき、「でるはため息ばかり」のなか、マイナス思考ばかりでなく、瀬戸内寂聴さんに似た彼女の3.11以来彼女の活動に、些か元気を貰った想いである。
そこで、みなさんにもこのことをご紹介しようと考えた次第である。
◇               ◇
「泣きたい時こそ笑いましょうよ!!」
戸田恵子:1957年、名古屋市生まれ。NHK「中学生群像」で女優デビュー。歌手・声優・女優・司会者として大活躍、「それゆけ!アンパンマン」のアンパンマンなどで人気を高める。脚本家三谷幸喜の作品には舞台主役女優として活躍し、三谷自身が戸田恵子の大ファンである。
戸田恵子さん
3月11日午後、巨大地震が東日本を襲った時は川崎・生田のスタジオで、日本テレビ系列の連続ドラマ「美咲ナンバーワン!!」の収録中だった。
六本木のナンバーワン・キャバクラ嬢が名門高校の問題児ばかりを集めたクラスの担当になり、さてどうなるかという学園ドラマ。担当の天敵といっていい教頭役がこの人だった。
「あの日はドラマ収録の最終日だったんです。
でも大地震で、収録どころではなくなったんです」
被害の大きさがわかるにつれ、居ても立ってもいられなくなった。

「千年に一度の天災に加えて、原発事故という人災でしょう。自分がもし同じ目に遭ったらと想像したら、二つの災害に耐えて闘っている人たちに『頑張ってください』とは、言えないと思ったんです。
できることが何かないか。歌手で俳優で声優の自分にできることは何か。答えは考えるまでもなかったんです。

両親とも、出身は名古屋だ。任務を着実、確実に遂行する三河武士の血を受け継いでいる。

4月16日、スタッフを連れ、宮城県の被災地二カ所にアンパンマンのグッズを持って慰問にいったのを皮切りに5月には岩手、7月には福島でアニメを上映し、吹き替えのライブをした。
アンパンマン
岩手に被災地で電気が復旧していないところには電源車を持っていった。音響係・映写係などで総勢15人近い大所帯である。
しかし、行く先々で地元のFM局が取り上げてくれる。瓦礫をかき分けるようにして拵えた会場でも、あふれかえるような人だった。ライブを終えると、笑顔と感謝の言葉が返ってくる。それが何よりも嬉かった。何より心強いのはアンパンマンの存在だ。

このキャラクターの吹き替えをするようになって23年。どこに行っても、アンパンマンとその声は誰でも知っている。

被災地を回る合間、6月には東京で「エールを贈る」と銘打ってライブもした。
この時も「アンパンマンのマーチ」を歌った。震災があってから、日本で一番数多く聴かれ歌われた歌は{故郷(ふるさと)」「上を向いて歩こう」と、このマーチかも知れない。

「作者のやなせたかし先生からオーディションもなしにご指名をいただいた時は、3ヶ月か半年で終わるだろうと思っていました。それがもう23年ですものねえ・・・・つくづく
人生は御縁だと思いますね」
「先生は92歳におなりですが、あのマーチをお作りになったのは42歳の時なんですって。びっくりしました。この間も『私は子供を授からなかったのに』と申し上げたら、『アンパンマンを見て育った子は、日本に2000万人いるんだよ!』とおっしゃって下さいました。先生は私の元気に源なんです」
このインタービューは、この人(戸田さん)が実行委員長を務める「キンダー・フイルム・フエスティバル」の会場、調布市の文化会館でお願いした。

フェスティバルは世界各国から選ばれたアニメーション映画を公開する「子供たちのための世界映画祭」と云うべき催しだ。今年で19回目になる。
4年前から声優として参加するようになり、昨年から実行委員長になった。
「と言っても、広報宣伝担当として取材のお相手をするだけです」と彼女はいう。
会場は4日間とも、画面と登場人物や動物と一緒になってビックリしたり、笑ったり、嘆き悲しんだりする親子連れで溢れかえった。
私もライブで吹き替えをしますでしょう。子供達の一喜一憂そる様子がじかに伝わってきます。スタジオとは全然違うんです」
「何と言っても厳選されたものばかりですから、作品には力があるんです。戦争や死をテーマにしていても、本当に力があるモノは、子供達にも分かるんですね。それに、この催しは毎回、気持ちのいい人達が大勢ボランティアでお手伝いして下さるんですよ」。
ーご自身が一番のボランティアでしょう?
「そんなことはありませんけど・・・・・6年前に母が亡くなってから、命には限りがあるんだって、今さらながら思って、私にできることは何でもしておこう、チャレンジしようという気持ちになったんです」
10月下旬から、東京と仙台と名古屋で「エール」をテーマにライブをする。
「三谷幸喜さんがゲストで来て下さるそうなんです。三谷さんの他にも、サプライズでゲストがいらして下さるようなんですよ!」
合間にトークもする。

 『やなせ先生の『今日生きられたんだから、明日もいきられるよ』という教えはぜひ広めたいですし、昔から『泣くがイヤさに笑い候』と言いますでしょう。誰でも生きていれば、泣きたい時がありますよね。そんな時こそ強がりでもいいから、笑いましょうよ!」

0 件のコメント:

コメントを投稿