ブログ アーカイブ

2010年11月3日水曜日

3日・「文化の日」に想う!


「文化の日」に想う! ―「明治節」からどうして「文化の日」になったのか?
   1948年の初めての「文化の日」。各地で多彩な行事が開かれた=東京・日本橋風景
 今日11月3日は文化の日。 文化の日は、1948年の「祝日法」制定時から続く祝日。 11月3日は明治天皇の誕生日で、戦前は「明治節」だった。いまでは「明治節」を知る人はわたしの世代以上で国民の15%ぐらいになってしまっていると憶測するが、それがどんないきさつで「文化の日」に生まれ変わったのか?その当時に遡って泥縄式ではあるが制定された経緯を調べてみた。
 

 その当時衆参両院では、その名も「文化委員会」で法制定の議論がなされたという。この休日を、46年11月3日に公布された新憲法で祝うべきか、もともとの明治天皇や明治時代で記念すべきか、議員の意見も両方に分かれた。
 

 参院側は11月3日は「憲法記念日」とする考えだったが、衆院側が「憲法記念日は施行の5月3日」と主張。結局、参院側も同調し、「文化の日」とする方向で決した。
 当時の山本勇造(作家の山本有三)参院文化委員長は当時、11月3日をこう理由づけた。戦争放棄を盛り込んだ新憲法公布の日で忘れがたく、「『自由と平和を愛し、文化をすすめる』、そういう『文化の日』ということに我々は決めた」。やや我田引水的な感じもしないでもないが、自由や平和の日でもよかったのに。でも、この理由が今も国の説明に引き継がれている。
(「文化の日」誕生のいきさつ)
•文化の日の11月3日は、1946年(昭和21年)のこの日に日本国憲法が公布されたことを記念して定められた。1948年(昭和23年)までは「明治節」といい、明治天皇の誕生日を祝った祝日であった。
•それが、第二次世界大戦の終戦後、1946(昭和21)年のこの日に現在施行されている日本国憲法?が公布されたので、「憲法記念日」にしようという案が出された。
「明治節」を別の名称で祝うというのは軍国主義の復活につながるのではないか、と連合国側から反対され、「憲法記念日」は新憲法の施行日の5月3日に制定された。
•しかし、この意見に反論をした議員もいた。この時に反論をした議員とは、山本勇造(「路傍の石」などの作品でも有名な作家の山本有三)であった。「アメリカは独立宣言をした日を独立記念日としているではないか」と言い出した。その結果、11月3日を「文化の日」と言う名前で、1948年から記念日にすることになった。
    ◇
 「文化の日」は、全国で様々な文化関連の催しが開かれる。皇居では、文化勲章の親授式。

 受章者は、主に文化功労者の中の「文化ノ発達ニ関シ勲績卓絶ナル者」(文化勲章令)のおおむね5人。識者10人からなる文化功労者選考分科会の意見を文部科学相が聞き、首相に推薦する。
今年の受賞者の名前と功績をみると、文化人の他に科学者も数多く見られる。
 •有馬朗人(文部大臣、東京大学長、原子核物理学・学術振興)
 ●安藤忠雄(東京大学特別栄誉教授、建築) 
 •鈴木章(北海道大学名誉教授、ノーベル化学賞受賞者、有機合成化学) 
 •蜷川幸雄(演出家、演劇)
 •根岸英一(パデュー大学特別教授、ノーベル化学賞受賞者、有機合成化学) 
 •三宅一生(ファッションデザイナー、服飾デザイン) 
 •脇田晴子(滋賀県立大学名誉教授、日本中世史) 

 ギリシャ、ローマの昔から、西洋で優れた「文化人」は優れた「科学者」でもあった。
武蔵野美術大学の柏木博教授(近代デザイン史)は、レオナルド・ダビンチなどの名前を挙げ、「欧州で科学と芸術は融合していた。彼らにとってはすべてアートでした」。確かに、英語の「Art」には芸術・美術、技術の意味が含まれる。
     ◇
 実は文化の日は、関西にはもう一つある。「関西文化の日」。毎年11月の第3土曜と日曜が基本だが、今年は13、14日。両日を中心に、関西2府8県内の美術館や博物館など入館料が、主に常設展で無料になる。
◎「関西文化の日」の趣旨
 関西が誇る長い歴史に培われた豊かな文化資源に気軽に接する機会を提供することにより、美術・学術愛好者の増大を図るとともに、関西圏域外に向けても、文化が息づく関西を広く、かつ強くアピールし、関西への集客を図ります。
 03年、当時の河合隼雄文化庁長官が呼びかけた「関西元気文化圏構想」の一環としてスタート。4年前の参加234施設、来館者計22万6千人から、昨年は404施設、計35万4千人に増加。もうひとつの「文化の日」もがんばっている

 
 昨年、政権交代で日本の文化政策も転換期を迎えた。民主党前鳩山政権は前自民党政権が決めた「国立メディア芸術総合センター(仮称)」は「国営マンガ喫茶」で税金の無駄遣いの象徴だとして、建設中止を決定。首相の所信表明で文化政策への具体的言及はほとんどなかったといっていい。
 東京大学の小林真理准教授(文化政策)は「民主党の文化政策は、まだ分からない。伝統文化の保存や振興も大切だが、メディア芸術のような新しい試みをする人たちを支援することも、同じように重要だ」と指摘する。
 
 衆院側の戦後長く文化委員会委員をつとめた受田新吉(1910~1979)は、著書『国民の祝日と余暇』(75年)に「文化の日一日をすごすだけで文化が進むわけではない。一年中のあらゆる日が文化を進める一日であり、その結晶点ともなるべきものが、文化の日である」と記した。

『日本文化論の系譜』の著者、大久保喬樹・東京女子大教授(比較文化)は「日本人くらい文化についてあれこれ考えるのが好きな国民はない」と言う。
 
 このようにして選ばれた「文化の日」,今日一日ぐらいは「文化のあり方」について触れるのも意義ある日になるまいか、と静かに想いを馳せる今日の日の雑感である。

2 件のコメント:

  1. しげやん^^こんにちは~
    今日文化の日は明治節というのは知っています
    父がよく話していたのを覚えています
    今日は和歌浦でイベントがあり行ってきました車が多く
    駐車場も遠くて戻ってきました^-^
    沢山の人で賑わっていました
    長閑な文化の日でみんながずぅ~っと幸せが続けばいいのにね~毎年文化の日は晴れる確率が高いそうですよ!
    けさTVで言ってました

    返信削除
  2. atitiさん
    きょうは風もおさまり穏やかなお天気になりました。
    今日は各地でいろんな行事が開かれているようですね!
    和歌浦は「しらす市」ですか?評判よいように聞いてます。
    お隣りの「温山荘」では第1回「国の名勝・温山荘庭園を詠む」俳句大会が開催されたようです。同時に「菊花展」も
    開かれてます。しかしながら菊作りをする方が老齢化して
    年々出品数が減り淋しくなってきています。
    和歌山城の「菊花展」は賑やかなんでしょう!
    温山荘近々家内とに見に行きます。穏やかな日を選んで!

    返信削除