ブログ アーカイブ

2012年7月30日月曜日

ロンドン五輪に出場する体操の田中三兄弟について父が語る!

 3兄弟がそろって五輪代表に決まったのは極めて珍しく、体操競技では田中兄弟が初めてであるが、過去柔道では中村佳央、行成、兼三の「中村3兄弟」が1996年アトランタ五輪に同時出場し、71キロ級で三男の兼三が金メダルに輝き、次男の行成は65キロ級で銀メダル。95キロ級の長男佳央はメダルに届かなかったが、世界選手権では3人とも優勝を経験したことがある。

 ロンドン五輪はすでに27日開催し、体操競技は男女ともすでに予選を終了したが、日本体操競技で初めての三兄弟を育て且つ体操の指導をしたお父さんから見た三兄弟の幼少期から今日の、また五輪競技に臨む三兄弟に寄せる期待を語って貰った。ニュース提供は「ニュース和歌山」です。
(「ニュース和歌山」2012.7.28号)



<>---------------------------<><> <> <> <>

体操 田中和仁、理恵、佑典選手


父・章二さん「思いっきり楽しめ」


 体操一家で育ち、3きょうだいでの五輪同時出場で話題を集める田中和仁選手(27、徳洲会)、理恵選手(25、日本体育大学研究員)、佑典選手(22、コナミ)。父で体操指導者でもある章二さん(写真左下)らを取材、3人の子どもの頃を振り返ると共に、五輪にのぞむ3人へメッセージをもらった。
写真右=小学校時代の3きょうだい(父・章二さん提供)


0、1、2、3…
 5月、五輪最終選考会となるNHK杯。全選手の演技終了後、五輪切符を手にした男女各5人の名前が発表された。男子1位の和仁選手、女子1位の理恵選手の名前が読み上げられ、男子の5人目に「田中佑典」と発表されると、章二さんの目から涙があふれ出た。
「3人で行ってほしいなとの思いは、3年ぐらい前から心の中にありましたね」。章二さんは明かす。昨年10月の世界選手権に3人そろって出場し、そのレベルにあることは分かった。しかし、「男女それぞれナショナルチームにいる約10人はだれが五輪代表に入ってもおかしくないレベル。選考会が迫ってきたころは、頭の中に『0』『1』『2』『3』の数字が次々と浮かんでは消えましたね」
結果は『3』。3きょうだいから父への最高のプレゼントとなった。


競技生活小1から
 2歳ずつ離れた3きょうだい、体操を始めたのはそれぞれ小学1年の時だ。和歌山オレンジ体操クラブ指導者で当時の3人を知る伊熊博文さんは「和仁はいい子で怒られることはしない、理恵は好きなことは打ち込むが、好きでないとしない子。兄と姉を見ていた佑典は目が肥えていた。『何でもできる。できて当たり前』という感覚で取り組んでいました」と振り返る。
「3人ともマイペースだった」と懐かしむのは、理恵選手を小3から中2まで指導した和歌山ジュニア体操クラブの葛城雅恵さん。「理恵は大会で初めて使う技をする時も、コーチ陣はドキドキしながら見ているのに、本人は不安なくやっちゃう。度胸がありました」


最高の舞台、最高の演技
 それぞれケガやスランプを乗り越え、昨年の世界選手権でそろって代表入り。そしてロンドン行きの切符も手にした。「体操を好きになり、目標を見据え、勝ち抜くためにいい準備をしてきたからだと思います」と目を細める章二さん。
ロンドン決定の翌日、理恵選手から「やりました」と電話で報告を受けた葛城さんは「理恵は周りへの感謝の気持ちが笑顔に出てくればよりいい演技ができる。最高の舞台、最高の笑顔で、最高の演技を見せてくれるでしょう」。
伊熊さん、章二さんが3人に贈る言葉は「楽しんでこい」。伊熊さんは「我々指導者は、練習の時はしかることもあるけれど、いざ試合になると応援しかできない。美しい体操で見た人を感動させ、楽しんでほしい。楽しめばメダルも付いてくるはずです」
最後に章二さん。「日本代表として出る大会、責任を背負った上で、集大成として自分たちの最大の表現を見せてほしい。五輪の舞台も思いっきり楽しめ!」
<> 

【体操競技の日程】

□男 子
予  選=7月28日
団体決勝=7月30日
個人総合=8月1日
個人種目別
ゆか、あん馬=8月5日
つり輪、跳馬=8月6日
平行棒、鉄棒=8月7日
□女 子
予  選=7月29日
団体決勝=7月31日
個人総合=8月2日
個人種目別
跳    馬=8月5日
段違い平行棒=8月6日
平均台、ゆか=8月7日

【競技方法】

予選は各種目に各国5人中4人が出場し、上位3人の成績が得点に。団体決勝は各種目に出場できる3人の得点がそのまま順位に反映される。個人総合には各国2人まで出場可能。また、個人種目別は予選の上位8人のみが駒を進められる。

☆父・章二さんに聞く3きょうだいの特徴

「3人とも、男子なら6種目、女子は4種目全てをこなすオールラウンダーで、基本姿勢の美しさが特徴です。その上で、和仁は教科書のように正確な体操で、平行棒を得意種目とします。動きの優雅な理恵は段違い平行棒とゆかが得意。佑典は技と技の〝間〟のつくり方がうまい。注目は鉄棒です。3人だけでなく、日本の選手はみんな美しい体操をします。続けて演技する外国人選手と比べながら見てほしいですね」

                      (「ニュース和歌山」2012.7.28号)

0 件のコメント:

コメントを投稿