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2011年1月9日日曜日

9日・干支に因む「卯」年作文・最優秀作「干支ざぶとん」

 前回はトピックスとして世界的人気ネコ「たま」駅長が生き神様の大明神に、駅長を勤める会社では常務執行役員に昇格した、まことにお目出度い話を紹介しましたが、年が改まるとビッグ・ニュースが次から次へと、目白押し!   そこで今回は、地元「ニュース和歌山」新聞社が毎年来年の干支の創作童話応募の入選作の発表が去る8日にあり、毎年小中学生が干支の「当り年」になる動物を心から愛し、創作した童話が心が和ませてくれます。世知辛い世の中、新年はまづ心温かくなる話から始めましょう!
 
 そこで、予定を変更し、「」年の「」に因む童話の優秀作を紹介することとし、終了次第予定のコースに立ち返りたく、ご了承のうえご覧ください。
 
 
(以下ニュース和歌山・11.1.3「今年の干支・ウサギが主役創作童話コンクールより)
  
  最優秀作「[ニュース」をヒントにー作者の川端久観さんー

 審査員を驚かせた「干支ざぶとん」のアイデアは「年末に、その年の干支だった動物から翌年の干支の動物に引き継ぎが行われるとのニュースを見て思いつきました」と作者の川端久観さん。

 「干支にない動物も出したい」と登場させたタコを、物語の鍵を握る役に配置。最初はとらに墨をかけるストーリーだったが、「それだととらが怒って、またうさぎ年が来なくなってしまう」ため、うさぎが真っ黒になるよう変えたそうだ。


「卯」年最優秀作【干支ざぶとん】 川端久観(吹上小学校6年)

 毎年、干支の動物は新しい年が来る除夜の鐘が鳴る時、森の中にある大きな時計の前に金色のざぶとんがあり、そこに座っていなければいけないことになっています。
 さて来年は、とらからうさぎにゆずる番です。しかしとらは、意地悪なのでなかなかゆずってくれません。
 十二年年前は、うさぎが色々な事をしたにもかかわらず、ざぶとんをゆずってくれなく、結局とら年が二年も続いてしまいました。うさぎは、今回こそは新しい年をうさぎ年にしたいと思っていました。 
 そもそも、ねずみから順にいのしし、そしてまたねずみとバトンタッチしていきますが、とらからうさぎの時が一番難しいと思いませんか? 
 そして次に難しそうないのししと交代するねずみに、うさぎは相談に行く事にしました。しかし、ねずみは全く悩んでいる様子もなく、いつもいのししの好物のさつまいもやりんごなどを持って行き、「おつかれ様。おみやげ持って来たよ」ってわたすといのししは大喜びでパクパク食べてざぶとんをゆずってくれると話してくれました。
  うさぎは、なぜぼくだけこんな悩みを持たなければならないのか、途方に暮れ海をながめていました。すると、波の間からタコが顔を出して、「どうしたの? うさぎ君。元気ないよ」と言い、うさぎをタコダンスではげまそうとしました。 
 そうするとどうでしょう。あまりにもタコのおどりがおかしくて、うさぎは悩みがふっ飛ぶくらい大笑いしてしまいました。そしてうさぎの頭にピンッ!と良い方法が思いつきました。
  それは、タコに大みそかの日に森の中にある大きな時計の前に来てもらい、とらにタコダンスを見せて、とらが笑っているすきにざぶとんに座るというものです。早速うさぎがタコにお願いすると、タコは「ぼくが出来ることなら何でもするよ」と、うさぎの計画に賛成しました。  さて、うさぎの明暗を決める大切な日が来ました。うさぎは、タコに「お願いね」と言うと、タコはうなずきました。うさぎとタコは、金色のざぶとんのある前に行きました。着くと、とらはうさぎを見ながら、「今回もゆずらないからな」と言いました。でも大丈夫です。きちんと計画を立てていれば。うさぎは、「今回はね、とら君にどうしても見せたいものがあるんだ」と言うとタコがダンスを始めました。
  うさぎの予想通り、とらはお腹をかかえて笑っていますが、ざぶとんから一歩もはなれようとしません。するととらがうさぎに「お前もタコのようにおどってみろ」と言いました。うさぎはびっくりしましたが、必死でタコと一緒におどります。 
 でもとらは、「なんだかうさぎのおどりはたいくつだ。たいくつだ」と言うと、タコは、「足が四本だからだよ。とら君と二人で足を八本にして一緒におどればいいんだよ」。とらは、「ふむ。それは良い考えだ。なんだか体を動かしたくなってきたぞ」と言い、ざぶとんを離れました。

 うさぎは、とらのお腹の下におそるおそる入り、一、二、三と合図を出しながらおどりました。するととらは、大喜び。でもうさぎはヒヤヒヤしながらもざぶとんから目をはなせません。とらは、タコと目を合わせてダンスに夢中になっています。 
 「今だ!!」とうさぎは思いざぶとんに座りに行こうとしました。でも、とらに見つかったその時。なんとタコが思い切りすみをはきました。
 誰に向けてはいたかというと…。それは、うさぎだったのです。うさぎは一体何が起こったのか全くわからず目をキョロキョロさせています。その顔を見たとらは、転げ回って笑い出しました。
 「こんなおもしろいものをみたのは初めてだ。今回は、うさぎにざぶとんをゆずろう。十二年後も期待してるぞ」と言って笑いながら去って行きました。そしてうさぎがざぶとんに座った時に除夜の鐘が鳴りました。

 「うさぎ君、良かったね」とタコが言うと、うさぎは、「タコ君のおかげだよ。ありがとうね」とお礼を言いました。 
 こうして、無事新しいうさぎの年が来ました。しかし、うさぎにとっては十二年後の悩みの始まりでもありますが。そして、この時うさぎが真っ黒になった事で、今までは真っ白いうさぎしかいなかったのに、黒いうさぎはもちろん、白と黒の二色のうさぎなどいろんな種類のうさぎがいるようになりました。

審査員の講評
・「わかやま絵本の会」代表・松下千恵審査員 うさぎとくればニンジンや月をイメージする人が多いのですが、こんな話は思いもつきませんでした。干支の順番がこんなふうに決まっていくことなど、誰が想像できるでしょう。海のタコが森に来てうさぎを助けるのは愉快で、タコおどりに感激するとらもイキです。とらがざぶとんを譲る場面は本当に面白かったです。

・「おはなしボランティア」 「きいちご」代表・藤田妙子審査員
 悩んだうさぎがタコに相談したり、とらの体の下にうさぎが入って、8本足になって踊ったり、アイデアがすばらしかったです。なぜタコが出てくるのかな、と思いながら読み進めましたが、そのタコに墨をかけられたのがきっかけで、黒うさぎや白と黒2色のうさぎが生まれたとのラストも独創的でした。


・イラストを担当した漫画家いわみせいじさん(本紙土曜号で4コマ漫画「和歌山さんちのハッサクくん」を連載中)の感想…物語の設定、ストーリー展開から結末にいたるまで、全く申し分なくよくできています。登場人物(動物)各々の性格も非常によく描かれており、楽しく読みました。(以上)

しばらく、「卯年」創作童話の優秀作の紹介が続きます。ご了承下さい。(以上ニュース和歌山より)

2 件のコメント:

  1. これは、おもしろいですね。
    ウサギが黒くなるのがいいです。
    小学校6年生が作ったんですか。
    すごいですね♪

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  2. megさん
    子供の創作童話は創造性豊かで、その上極悪人が出てこな
    いし、心がキレイで純ですね!このまま大人になって欲し
    いのですが、生存競争が烈しいこの世の中は、心が美しい
    だけでは、人はバカを見るのでしょうか?
    世の中「タイガーマスク」もっとが増えて欲しいです。
    同じ直人でも、菅の方の直人は(ア)菅です!
    もっと信念をもってリードして欲しいです。
    この日本の国を!

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