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2015年2月19日木曜日

和歌山県海南市「浮上式防波堤」計画断念 全国初めての誇大宣伝の結果がこれか?

”これってどういうことなの?”

浮上式防波堤 国が計画断念南海トラフの巨大地震による津波に備えるため、和歌山県海南市の港で建設を進めていた「浮上式防波堤」について、国は、このままでは事業費が現在の3倍以上に膨らみ完成も16年後にずれ込むおそれがあるとして、計画を断念する考えを地元に示しました。
「浮上式防波堤」は、巨大地震に備えて国土交通省近畿地方整備局が和歌山県海南市の和歌山下津港で平成24年10月から建設を進めました。
海底に「鋼管」と呼ばれる金属製のパイプを並べて埋め込んだもので、津波が押し寄せると空気の力で海上7.5メートルまで浮上して被害を少なくするとされていました。
しかし、その後に発表された南海トラフの巨大地震の最も新しい被害想定を基に国の専門家委員会が検討したところ、▽地震の揺れで「鋼管」が損傷して防波堤が浮上しないおそれや、▽浮上した場合でも津波に耐えられないおそれがあることが分かりました。
これを受けて国は、このまま補強などを行って計画を進めた場合、総事業費が現在の3倍以上のおよそ770億円に膨らむうえ、完成も16年後の平成43年度までずれ込むおそれがあるとして、計画を断念し、代わりに港の護岸のかさ上げ工事などを行う考えを地元の海南市や企業などに示しました。
「浮上式防波堤」の建設には、本体だけですでにおよそ14億円が投入され、浮上実験なども行われていました。
国土交通省近畿地方整備局の北出徹也港湾空港企画官は、「『浮上式防波堤』の計画は全国でも初めてで、大々的に取り組んできた。
結果的にこのような形になり、申し訳なく思う」と話していました。
今回の計画断念について、地元で暮らし、昭和21年の南海地震を経験している山下倫弘さんは、「この地域は以前にも津波の被害を受けたことがあり、対策について市役所などと何度も話し合いを重ねてきた。ようやく決まったのが『浮上式防波堤』の事業でした。
やっと大丈夫だと思っていたのに残念です。腹立たしい思いです」と話していました。
また、和歌山県の仁坂知事は、「巨大な地震が発生した際に浮上しないという議論を受けて国土交通省で徹底的に調べてもらったが、やはり自信がないということだった。安全には万全を期さないとならないので、リスクのある浮上式よりも、護岸のかさ上げに切り替えることを了承した」と述べました。

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