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2011年9月12日月曜日

9.11から10年、米国オバマ大統領が寄せたメッセージ

2001年9月11日の米同時テロから10年。(オバマ大統領が寄せたメッセージ抄訳)
演説を行うオバマ大統領

 この日に際し、私たちは、9・11が米国だけでなく、世界と私たちが共有する人間性と希望への攻撃であったことを思い起こす。

 あの日亡くなった3000人近くの罪のない人々には、90以上の国から来た多くの外国人が含まれていた。この厳粛な日に、私たちは犠牲者の家族や同胞と共に、彼らを追悼する。

 10年前、世界中が一つになったことを私たちは感謝の念と共に思い起こす。世界各地の人々が連帯して私たちを支持してくれたことを米国民は決して忘れない。

 9・11後の数週間、国際社会は一丸となって行動した。広範な連合の一環として、我々はアフガニスタンの訓練キャンプからアル・カーイダを放逐し、原理主義勢力タリバンの政権を打倒し、そしてアフガン国民には恐怖を抱かずに生きる機会を提供した。しかし、その後は困難に直面し、9・11直後に私たちが肌で感じた全世界的な協力の精神は、ほころびを見せた。

 私は大統領として、私たちが直面するさまざまな地球規模の課題に対処するうえで必要な国際的連携の再構築に取り組んできた。新たな関与の時代を通じ、私たちは各国やその国民との間で、相互の利益と互いを尊重し合う精神に基づく協力関係を築いてきた。

 私は、米国がイスラムと戦争をしているのではないこと、今後も決してしないことを明確にしてきた。私たちは今週、中東、欧州、アフリカ、アジアで、アル・カーイダの犠牲になった全ての人々と、その家族や同胞が見せた勇気と立ち上がる力のことを思い起こす。

 私たちは協力してアル・カーイダの策略を阻止し、ウサマ・ビンラーディンを排除し、この組織を敗北の道へ追い込んだ。一方、中東と北アフリカでは、正義と尊厳に通じる最も確かな道が、非暴力という道義的な力であることを人々が証明している。暴力的な過激主義者は取り残され、破壊ではなく建設を望む者に未来が訪れることは明白だ。

 平和と繁栄の未来を求める国や人々には米国というパートナーがいる。
米国は国内で経済の問題に直面しているが、世界で比類のない指導的役割を今後も果たしていく。イラクから米軍を完全撤退させ、アフガニスタンでは(治安維持)権限を(アフガン国民に)移譲するが、国民に安全と機会をもたらす両国の取り組みをこれからも支援する。アラブ世界やその他の地域でも、私たちは全人類の尊厳と普遍的権利を擁護する。

 同時に、私たちは国内では我々の価値観の実践に改めて取り組んできた。
米国は移民国家として、あらゆる国の人々、あらゆる文化的背景を持つ人々を歓迎する。彼らは最も新しい米国民であり、10年前に亡くなった罪のない全ての人と同じく、我々が皆、人種や民族性、経歴、信条の違いとは関係なく、現在と未来の世代のために世界をより良い場所にできるという共通の希望で結びついていることを思い出させてくれる。これこそを亡くなった人々の遺産とせねばならない。

 9・11で米国を攻撃したテロリストたちは、米国と世界の分断を望んだが、失敗した。あの日から10年となる今日、私たちは友人や仲間と心を一つにし、この戦いで亡くなった全ての人々のことを思う。私たちは彼らを追悼し、全ての人々が尊厳を持ち、自由かつ平和に生きる世界の実現に必要な協調と相互尊重の精神を再確認する。(2011年9月11日  読売新聞)
   ◇                      ◇
 米国にとってブッシュ大統領が強行したイラク戦争は「イスラム教」+「石油資源獲得」を狙って仕組まれたものであり、アフガニスタン・パキスタン攻撃も「イスラム原理主義」を貫くタリバーンに向けられたものであった。
 世界を知るには世界の三大宗教と云われる仏教・キリスト教・イスラム教の歴史・神・教義の違いを常識として理解しておかねばならない。そのうえ各宗教には宗派があり、同じ宗教でも宗派による違いも理解するもとが求められる。(※ 世界人口約63億人・キリスト教約20億人(1神)、イスラム教約12億人(1神)、仏教約4億人(諸仏))

◎戦争の原因・・・戦争の原因は戦争毎に種々あるが、領土問題・資源問題・宗教・信仰問題等、これらのなかでとりわけ宗教・信仰問題は古くから根が深く、例を挙げればエルサレムを巡る宗教上の聖地争いが中東の戦争の火種になっていることは誰しもがよく知るところであろう。以下簡単に、この件に触れておこう。

◯宗教とエルサレム [ウイキペディアより]
 岩のドーム‎エルサレムは単に地理的に要所であるのではなく、アブラハムの宗教全ての聖地であることが最大の問題である。
 このことがエルサレムの帰属をめぐる紛争の火種となっており、パレスチナ問題の解決を一層困難にしている。
ユダヤ教にとっては、エルサレムはその信仰を集めていたエルサレム神殿が置かれていた聖地であり、ユダ王国の首都であった場所でもある。現在でも幾つかの神聖とされる場所が残っている。中でも嘆きの壁は有名で、これは70年にローマ帝国がエルサレム神殿を破壊したときに外壁の一部が残されたものである。

キリスト教にとっては、エルサレムはイエス・キリストが教えを述べ、そして処刑され、埋葬され、復活したとされる場所である。それらの場所には、現在はそれぞれ教会が建っている。

イスラム教にとっては、エルサレムはムハンマドが一夜のうちに昇天する旅を体験した場所とされる。コーランは、メディナに居住していた時代のムハンマドが、神の意志により「聖なるモスク」すなわちメッカのカアバ神殿から一夜のうちに「遠隔の礼拝堂」すなわちエルサレム神殿までの旅をしたと語っている(17章1節)。伝承によると、このときムハンマドはエルサレムの神殿上の岩から天馬に乗って昇天し、神の御前に至ったのだという。この伝承は、ムハンマドの死後から早い時期にはすでにイスラム教徒の間では事実とみなされており、神殿の丘におけるムハンマドが昇天したとされる場所にはウマイヤ朝の時代に岩のドームが築かれた。また、丘の上には「遠隔の礼拝堂」を記念するアル=アクサー・モスクが建設され、聖なる場所と見なされている。                    以上

4 件のコメント:

  1. しげやんさん、復活おめでとうございます♪
    台風の被害はありませんでしたか?
    心配していました。
    領土争いは、なかなかなくならないでしょうね。
    しげやんさんは、のめりこみやすい性格だとお見受けしております。
    目のためにも、ブログの更新は少しずつにしてくださいね。
    よろしくお願いします。

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  2. お元気そうでなによりです。

    中東の問題も、紀元前に原因があることで、なんとも壮大、かつ厄介なことでありましょう。
    他者の価値観を認める、あいまいな部分も赦す、という仏教的あり方が、今後の世界には大きな力を発揮すると思います。日本も、この部分で貢献していきたいものです。

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  3. megさん
    お久しぶりです。あなた様のブログにもお邪魔しますね!
    おかげさまで台風12号は紀伊半島の熊野・十津川の高い
    山脈には2000mmを超える多量の豪雨を長時間降らせ
    山崩れで「堰止め湖」ができるなど熊野古道が相当被害を
    被りましたが、幸い紀北はさほどの降雨量がなく、今回は
    被災を免れましたが、近い将来度肝を抜くような出来事が
    起こらないかと心配の種は尽きません。
    仰有るようにプロフィールにも記載の通りA型で凝り性で
    ともすれば「燃え尽き症候群」に陥り易い性格です。
    3.11の「東北関東沖大震災」の及びもつかない規模の
    大津波には度肝を抜かれました。
    海沿いにある家は昭和21年の南海大震災、昭和35年のチリ
    津波その他大台風の高潮で数回床上浸水の被災を経験し、
    これも眼精疲労に加えてストレスが高まりました。
    ブログの更新は仰せの通りゆっくり目を心がけますから、
    ご休心下さい。

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  4. 玲小姐さん
    お久しう御座います。早速のお訪ねありがとう御座います。
    昔から宗教戦争は絶えることがありませんし、いまはキリスト教:イスラム教が世界のどこかで争っています。
    米国もブッシュ大統領の8年間に「寛容」の精神がなくなり
    憎悪と不寛容になってしまいました。
    インドのガンジーの無抵抗主義、寛容の思想、仏教の思想が
    世界を救う教えであると同感します。
    西欧の文化とは自然を征服するとととする考え方になついて
    ゆけません。この度の福島第二原発の事故処理が遅々として
    進まないことにいらだちを覚えます。我が国の原子力学者も
    如何に無能だと云うこととともに・・・

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