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2012年11月6日火曜日

「漆器まつり」余話・淨国寺天井画「四季の草花と星座」公開!

11月3~4日は秋の好天に恵まれ、恒例の「紀州漆器まつり」は従来になく賑わった。

というのも[黒江の町並み景観づくり」協定が県の第1号認定され、また「黒江の町」応援ソング「黒江からころ為の女」お披露目があったばかり、そういうことで今年は古くて新しい「黒江」での「紀州漆器まつり」元年とも云える催しであった。

これと時を同じくして「漆器まつり」会場からほど近い古刹「天王山 淨国寺」で地元出身の日展漆芸家・橋爪靖雄氏が4年かけて完成させた本堂天井の「蒔絵入り天井画」が完成、「紀州漆器まつり」開催に合わせて一般公開。

このことは3日地元「ニュース和歌山」紙で大きく掲載されたことも手伝ってか、大勢の見物客が三々五々と詰めかける盛況ぶりであったが、誰もがウットリと静かに見上げる様であった。



淨国寺本堂と枯山水の庭園

 そして同寺のすぐ下にある橋爪氏の「漆工房」で、ご夫妻とお嬢さんの3人展も同時開催され、また同時に「蒔絵体験教室」も時間を区切って開催されていたので、今年は見どころが、さらに一つ増えたという感じ。

 淨国寺の庭園は県下でも名高い室町時代の「枯山水の庭園」、天井画を鑑賞したあと縁側から望む「枯山水の庭園」は荘厳な天井画と相俟って心を落ち着かせ安らぎを与えてくれる。           そういうことで普段は静かな境内は、この日ばかりは大勢の見物客で賑わいを見せたが、来られた方はそれぞれに静かで落ち着いた佇まいであった。


※「天王山・淨国寺」(旧・黒江坊舎)寺歴
・永正8(1507)年 黒江橘尾山の黒江坊舎が建立、本願寺実如上人の時、本願寺より「方便法身像」と室如上人直筆の「九字十字名号」が下付される
・天文13(1544)年 黒江天王山の現地に寺基が移される 別院格として留守を置き寺務を執らしめていた
・天文19(1550)年 和歌浦弥勒寺山に移転、この年4月、証如上人黒江に下向、そのとき「高祖十字名号」「三具足」を下付さる
・永禄6(1562)年 和歌山鷺の森に移される 現在の「鷺の森別院」

これより、明治6(1873)年まで、黒江坊舎の跡に御坊として寛永6(1629)年方九間の本堂を建立、附近16ヶ寺を以て其の力として維持してきた。
昭和8(1933)年5月、本堂方十一間を起工、11月上棟したのが現在の堂宇で、境内南北五十間、東西四十間・本堂・太子堂・太鼓堂・庫裏・客殿・門等の建物がある。
【淨国寺庭園】 
天文19年4月8日本願寺十世証如上人が黒江坊舎に下向にあたり証如上人お手造りの庭園として伝えられ、室町頃の古い型式をもった枯山水の庭園であり、
【親鸞聖人画像】 天正11(15823)年、7月本願寺が鷺の森から大坂貝塚に移転したとき、顕如上人から下付されたものである。
浄国寺は浄土真宗の古刹で、室町時代に造られたとされる「枯山水庭園」は、和歌山県下にある庭園の中で一番古いとされてます。この庭園は公開されておらず、特別公開の日のみ開園されます。境内には樹齢600年と推定されるクスノキがあります。

樹齢600年とされる「大楠」
淨国寺山門
 


















    ☆                     ☆                   ☆
                               「ニュース和歌山」2012.11.03号から

天井に輝く「蒔絵の星座」

海南市黑江・浄土真宗「天王山 淨国寺」

今年の7月7日午後から浄土真宗本願寺派 天王山浄国寺(通称「ごぼうさん」と呼ばれ、地区の地名:海南市黒江天王町の由来)にてライブが開催されました。二胡:古箏:ピアノの三楽器による演奏が広い本堂のに響き渡りました。、当日は午前中は雨で関係者は大変気がかりでしたが、幸い午後から天候も回復し大勢の来場がありました。宗派を問わず300人余りの人々が広い本堂に収容出来ずに、広縁にまで座席を広げました。
このお寺は荻野昭祐住職が本堂を開放してライブ・ボーイスカウトや映画上映・説法・講話開催など、地域の文化向上に熱心に取り組まれていて、「黑江」ではこのお寺のことを「ごぼう」さんと親しみを込めて呼ばれています。
また、2010年11月23日には親鸞聖人750回大遠忌が営まれ門徒衆が200人参加、そのときには「春・夏」蒔絵が完成していたので,披露されました。
 
 
 

 海南市黒江の漆工芸家、橋爪靖雄さん(77)が地元の浄国寺から依頼を受けて制作した蒔絵の天井画が完成。11月3日(土)と11月4日(日)の2日間、一般公開される。橋爪さんは「制作に4年かかりましたが、これだけの仕事ができて良かった。100年後、200年後に見た人に『ここまで細かい作業をやっていたんだ』と思ってもらえればうれしいですね」と話している。

 橋爪さんは130年以上続く工房の4代目。同寺の荻野昭裕住職から「地元・黒江の伝統的な技術を残すため、お願いできないか」と依頼を受け、2008年に天井画の制作を開始した。

 テーマは「四季の草花と星座」。1枚50×60センチの板に、夏はフウセンカズラやサソリ座、秋はキキョウやカシオペア座など一つずつ描いた。「下地から塗り、加飾まで、作業には100の工程があると言われます。今後、100年は残る作品であろうことを考慮し、伝統的な技法で忠実に仕上げました」と橋爪さん。

天井画を眺める荻野住職と橋爪さん(右)



天井画・左側図



















 

 

仕上げた絵は、各季節21枚で計84枚。寺の本殿に入り、右奥の部屋に春と夏、左奥の部屋に秋と冬を設置している。春と夏は2年前に完成しており、今回できあがった秋と冬を合わせて、ようやく全ての作業が終わった。荻野住職は「単眼鏡で見ると、仕事の細かさがよく分かる。時間がかかるはずです」。

 今春以降、親鸞の月命日にあたる毎月16日のみ公開しているが、地元で紀州漆器まつりが11月3日(土)と11月4日(日)に行われるのにちなみ、見学を受け入れる。

橋爪さんは「84枚、全てに思い入れがあります。目にすることのない裏まで手を抜かず仕上げた作品、蒔絵の天井画は全国的にもめずらしいのでぜひ見てほしい」と呼び掛けている。

 

また、橋爪さんは漆工芸家として4代目、約40年間活躍してきた橋爪さんは、故郷の黒江の漆器産業の衰退に危惧の念を抱いていた。かつては職人の街だったが、今は10人ほどに減少。プラスチック容器に化学塗料を使った安価な製品が増え、橋爪さんは「漆器の概念が変わりつつある」と話す。子供の頃から慣れ親しんだ寺からの依頼に、「引き受ける以上は、きちんとした漆作品を作ろう」と奮い立った。公開は午前10時~午後4時

(11月3.4日の「漆器まつり」)

JR海南駅前に建つノボリ

漆器売店

今年の出し物「根来塗り対八車}



今夏発売の黒江応援ソング「黑江からころ為の女」を歌う歌手・宮本静さん

漆器の買物客ら、ここから右へ300Mで「淨国寺」と漆工房「橋爪」
漆工房「橋爪」
橋爪「漆展」
橋爪さんと妻の紀久子さん、娘の玲子さんによる「漆展」が11月4日(日)まで、同市黒江の「漆工房橋爪」で開かれている。橋爪さんは額やパネル作品、紀久子さんは器物や茶道具、玲子さんはアクセサリーを中心に、約150点を出品している。午前10時~午後5時。同工房(073・483・4879)。
ニュース和歌山2012年11月3日号
  





橋爪 靖雄)はしづめ やすお)氏


・昭和10年 1月   海南市に生まれる  
・昭和33年 4月   上京 漆芸家佐治賢使先生に師事  
・昭和37年 1月   帰郷 漆工芸品制作に入る              ・同年 11月      第5回日展 初入選  
・昭和55年 1月   昭和54年度 和歌山県文化奨励賞受賞    ・昭和59年 11月   第16回日展 特選受賞  
・昭和60年 11月   第17回日展 無鑑査出品  
・平成 4年 11月   文化庁地域文化功労者表彰  
・平成 7年 5月   第5回日工会展 飾棚「調べ」 日工会会長賞受賞 ・日展入選23回 ・日展会友 ・日工会会員・創工会会員



◎橋爪靖雄氏とわたしは、小・中・高校の同級生で、かれこれ70年来の友人です。外出するときはいつもカメラを携え、野に咲く名もなき草花や風景などカメラに収めていました。これらが、彼の作品に活かされるのでしょう!この点では、佐賀・有田の先代の柿右衛門が絶えずスケッチブックを携え、野に咲く草花等を描いたと聞いたことがありますが、これと同じなんでしょう!

若い頃は同級生が数人集まり、麻雀をしたり酒を飲んだり四方山話や当時流行った高忠実度(ハイ・フィデリティー)音響装置制作等音の響きを競ったりに時を忘れて没頭、彼もほとんどの時一緒でした。

彼のお父さんも漆器の蒔絵を描かれる県下でも有名な伝統工芸士で、その血を受け継いだのでしょう! わたしにはない「創(クリエイト)」をもった得がたい友人の一人です。
 

  わたしにない才能【創】を有する友達には敬意を表して長くお付き合いしたいものです。

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