前回、新田長次郎氏は事業家としても一流のアイデアマンだったことを書いたが(皮を舐めすタンニンを採集するため槲(かしわ)の樹皮を剥ぎとり、木材からベニア板を発明した)、この庭園を創園するに際しても、それらが生かされている。
庭園内にある茶室の垣はコンクリートで、あたかも本物の柴で拵えた風に作られ、池の回りの石垣も同様コンクリート製の擬石である。
この庭園を細かく観察すると随所にそんな試みが見られるのだ。
また、池そのものが「潮入式池泉回遊庭園(しおいりしきちせんかいゆうていえん)」に設計され、海の潮の干満によって園内の池の水位が変化する巧まざる巧みな試みが採用されている。ご本人は庭園の専門家任せでなく、自己のアイデアを活かした設計を手がけたであろうことが伺えよう。
「琴ノ浦温山荘園」由来 |
下に同じ池が潮の干満により、どのように景観が変化するのか?
また、一枚岩の大青石橋の巨大さ、隠れキリシタンのマリア燈籠などの画像をお楽しみ下さい。
潮の満潮時 |
潮の干潮時 |
「マリア燈籠」 |
一枚岩の大青石橋 |
一枚岩大青石橋 |
潮入式池泉回遊庭園とな!
返信削除ではあれじゃなぁ、それがしが記事にした御坊のSioトープの先駆けではござりませぬか!!
昔の人は偉いとは申しまするが、新田殿は時代を先んじた発想の持ち主じゃったようですなぁw
しかも御坊のとは違うて海草や藻も繁殖しておらぬとは^^
お見事でござるwww
モノノフ殿
返信削除温山荘園の維持管理は費用面からも大変だと思います。
園内にあった松の木も半分ぐらいが松くい虫に殺られて
枯れましたので、随分景観が損なわれてしまいました。
池には藻が生えますが、メンテで除去しているのか、
あまり目立ちません。
海南市へ移管するに当たって財団法人化して移管したの
ですが、基礎財源はニッタが相当だしているそうで持参
金付きの嫁入りみたいで、氏は社会事業家の側面が強い
人物だと受け取れます。昔の事業家・財界人は立派です。