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2011年1月27日木曜日

28日・「新・一筆啓上賞」(日本一短い手紙コンクール」大賞発表!

Q. みなさん、福井県丸岡町をご存知ですか?
A. どこかで聞いた気がするが、ハッキリは知らない。

Q. では、第一ヒント、「一筆啓上」「日本一短い手紙」はご存知ですか?
A. そうか、ヤット思い出した。たしか町おこしに「一筆啓上」「日本一短い手紙」のコンクールで「町おこし」を企てた町だったのだ。
A. そうなんです。今は福井県坂井市丸岡町となりましたが、「町おこし」に、このコンクールを始めたときは、福井県坂井郡丸岡町と言いました。
 
 この「一筆啓上賞」は10回を一つの区切りとし、11回目に当たる平成15年から「新・一筆啓上」と改め、新しく一方通行の手紙から返事を添えた往復書簡に姿を変え「新一筆啓上賞」として再スタートしましたが、このコンクールは今年で第8回目で、お題は「」でした。 その入選作品が昨27日、発表されました。
テーマ「」応募作募集ポスター


 このブログでは時々俳句や川柳など短くてしかも表現が妙という作を採り上げてきましたが、「新・一筆啓上」は短くてしかも要領を得ているモデルとも云えるので、このニュースを引用させて頂くことにした次第です。


 当時の丸岡町が「町おこし」に何故こんな企画をしたのか?これにはレッキとした理由があるのです。

 「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」

 この文は、江戸時代から有名な文句で、日本最古の天守閣・丸岡城にある最も短い手紙文を刻んだ碑に書いてある文のことです。
一筆啓上の碑

丸岡城

 「一筆啓上賞」のはじまりは、福井県丸岡町がこの碑より、「日本で一番短い手紙文」の再現をし、手紙文化の復権を目指そうということから始まりました。
 
 碑文は、約400年前に徳川家康の功臣・本多作左衛門重次が陣中から妻に宛てて送った手紙として有名です。
「お仙」とは本多作左衛門重次の息子・仙千代で、後の丸岡城六代目城主となった本多成重のことです。 
 福井県丸岡町は手紙文化の発信地として、平成5年(1993)から平成14年(2002)までの10年間、「日本一短い手紙」を募集しました。
そして、平成15年(2003)より新しく「日本一小さな物語」として、心のこもった短い往復書簡を募集てきました。 
 平成5年から14年まで募集した「日本一短い手紙」は83万通を超える手紙が丸岡町に届けられ、それらは全て一方通行で完結していません。往復書簡とすることで、手紙として完結します。やはり返事がほしいのです。いまや通算応募件数は百万通に達しようとしています。
「日本一短い手紙」から「日本一小さな物語」へ。丸岡町は手紙を通した心のこもった町づくりをこれからも進め、手紙文化から手紙文学を目指しています。
 現在、丸岡町では永くこれらの手紙を保存するために、日本手紙博物館(仮称)の創設を計画しています。


 ではお待たせしました。第8回コンクール優秀作の発表(5作品)です
(優秀作)
▽「坊主失格、父送る時、泣けて、お経間違えてごめんなさい!」
 
日本一短い手紙大賞が決定。(1.27)
 
 日本一短い手紙のコンクール「第8回新一筆啓上賞」(福井県坂井市、丸岡町文化振興事業団主催)の入賞作184通が27日、発表された。今回のテーマは「涙」で、国内外から計4万424通が寄せられた。
 大賞には三重県東員町、住職、冨川法道さん(63)が父(お浄土の父さん)にあてた「坊主、失格ですね。父さん送る時、泣けて泣けて、お経間違えてごめんなさい」など5通が選ばれた。


 同賞は平成5(1993)年に「一筆啓上賞」としてスタート。同15年から「新一筆啓上賞」にリニューアルした。句読点を含め40文字以内が作品の条件。


 ほかの大賞は次の通り。
▽(おかあさんへ)「なみだがあまくなるようにプリンをいっぱいたべたいな」=石川県小松市、小学2年、天池礼龍さん(8)

▽(自分へ)「ソフトの試合に負けた。ぼくはかくれて泣いた。なんでかくれたんやろ=福井市、小学5年、森下昭汰さん(11)

▽(Tくんへ)「もうなかないでください。もういじめません。ごめんなさい。ほんとにごめんなさい=滋賀県、中学3年、淺倉一真さん(15)


▽(愛妻へ)「単身赴任初日の夜、不覚にも涙酒をあおってしまったなり」=静岡県富士市、会社員、菅澤正美さん(60)。

 [第8回新一筆啓上賞」の入賞者発表会が27日、同市丸岡町のいきいきプラザ霞の郷で開かれた。
 「涙」をテーマに募り、国内外から4万424点が寄せられ、26日の最終選考会で入賞作184点が決定した。


 発表会では、坂井市丸岡町出身の作家、西ゆうじさんら選考委員5人が各賞を講評。作家中山千夏さんは、森下君の大賞作品について「何でもない言葉だが、切れがいい。ストレートな表現が多い中、『なんでかくれたんやろ』という言葉が、すごく印象的だった。リズムもとてもいい」と評価した。
 詩人の佐々木幹郎さんは全体として「表現がパターン化したものが意外と多かったが、本当のことを『涙』で伝えようとするとパターン化されたものでしか伝えられないことがある。つらい涙、甘味な涙、わがままな涙などいろんな涙の物語を楽しませてもらった」と述べた。
 シンガー・ソングライター小室等さんは「作品がいろんな人の一生を支えてくれる言葉になり、読んだ人の心に重みのある言葉となる。これが一筆啓上賞の役割と考える」と総評した。


 佳作以外の入賞50点は坂井中生徒7人が朗読した。入賞者を表彰する顕彰式は4月17日に坂井市内で行われる予定。

 川柳は時代を映す鏡だ、と云われるが、この作品を読む限り簡潔で云い得て妙といえよう。

 ”天網恢恢(てんもうかいかい)、疎にして洩らさず
(天が張り巡らした網は目が荒くて、一見洩れそうに思われるが、それでも洩れることがない)という故事があるが、
 わたしは性格上「微に入り細を穿つ」の如く、長ったらしくしかも漏れていることが多いが、この際、「新・一筆啓上」を見習いたい、と思う!

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