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2013年7月13日土曜日

東日本大震災時首相であった菅元首相が東電福島原発に「海水」注入問題の真相をツイートする・7.13

今日の一言「ツイッターでの海水注入問題への質問の回答」
 

 

 

 

 

 

 

 

 東電福島原発への海水注入問題への回答!

 原発事故についての質問にできるだけ答えるとツイートしたところ、多くの質問をいただいている。ツイッターでお答えしているが、海水注入問題については一度のツイートで経緯を全部説明するのは無理なので、このブログで説明したい。
結論から言えば、私あるいは官邸の政治家が海水注入を止めさせる指示を出したことはない。

  3月12日の18時前から官邸で、海江田経産大臣、斑目原子力安全委員長、原子力安全・保安院の幹部、そして東電から派遣されて来ていた武黒フェロー氏らと協議した。その時点で、専門家の間では、真水がなくなったのであれば、冷却のために海水を使うことが必要だとの認識で一致していた。私を含む政治家もたとえ廃炉になるとしても海水注入は必要との考えで一致した。


  そして東電の武黒氏が海水注入の準備に2時間程度かかると言うので、その間に、塩の影響や再臨界の危険があるのならホウ酸を入れるといった対策を含めて検討するようにと言って私は協議の場から離れた。協議はその後しばらく続いたと聞いている。

  再臨界とは、溶けた核燃料がある大きさ以上の塊になり核分裂の連鎖反応が再び起きる状態を言う。海水注入そのものとは直接関係ないが、メルトダウンの場合は警戒が必要なので、その場に集まっていた専門家に意見を聞いたのだ。斑目委員長「可能性はゼロではない」と言った。私は、この発言を「再臨界の危険性がある」と理解した。そこで、注入する海水にホウ酸を入れると中性子が吸収されて再臨界は起こりにくくなることを知っていたので、それを含めて海水注入の準備の間に検討するように言ったわけだ。

  このように18時前からのこの協議の場で私は一言も、海水注入を「待て」とも「止めろ」とも言っていない。準備に2時間かかると東電の武黒フェローが言うからそれまでに考えておいてくれるように言っただけだ。

  後に判明したことだが、海水注入は武黒氏が思っていたより早く準備ができて、19時4分に始まった。これも後に知ったことだが、協議を終えた武黒氏が吉田所長に電話をかけたところ、すでに海水注入は始まっていると告げられた。その時、武黒氏が思ったより早く注水が始まっていましたと報告していれば、何も問題はなかったはずだ。

  しかし武黒氏は「総理の了解が取れていないので待ってくれ」とあたかも私が海水注入自体を躊躇しているかのように吉田所長に言ったようだ。更に武黒氏は東電本店へも連絡を取り、本店からも吉田所長へ注水を中断するように指示が出された。これに対して、すでに有名になっていることだが、吉田所長は大芝居を打った。吉田所長は注水を実行している部下に「いまから注水を止めるように言うが、絶対に止めるな」と予め言って、その上でテレビ会議で本店に伝わるように注水を停止せよと偽りの指示を出した。本店関係者の多くはこのテレビ会議を見ていて、海水注入は停止したと思ったのだ。こうした東電の現場と本店の動きを知らないまま、19時50分ごろ海水注入に関する協議が再開され、再開直後の19時55分準備ができたというので海水注入を指示。実際には海水注入は19時4分から始まり、その後中断はされていない。

  これが3月12日に起きた事実。この経緯は私の著書「東電原発事故・総理大臣として考えたこと」に載せてある。

  なお、これから述べる後日談も重要。事故発生から約2か月後の5月20日に安倍晋三氏が大嘘のメルマガを発信し、翌日読売、産経新聞が同趣旨の間違った記事を書いた。吉田所長はIAEAから調査団も来て、こうした間違った事実が定着することを心配し、自ら東電上層部に真実を語った。その結果5月26日、東電自身が調査を踏まえて、海水注入の中断はなかったことを正式に発表。これが真実だ。


これで福島原発吉田所長が本店にウソをついてまで、原子炉冷却に海水注入していたことが分かった。この英断が今になってはわが国をいや世界を救ったとも云えると思う。国を預かる内閣や会社のトップがいざという場合の決断が国のまたは会社の命運を決めかねないだけに重大だ!

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