ブログ アーカイブ

2013年2月7日木曜日

熊野に春を呼ぶ奇祭“お燈まつり”

毎年2月6日夜 熊野に春を呼ぶ奇祭“お燈まつり”・2013-2-6





松明の灯の流れ
 

“お燈まつり”ご神火をいただく


お燈まつり


「お灯まつり(動画)」・和歌山県新宮市・神倉神社

http://www.youtube.com/watch?v=_IrUtt906NA



 
熊野に春の到来を告げる新宮(しんぐう)市の世界遺産・神倉(かみくら)神社の火祭り「お燈(とう)まつり」が、6日夜開かれた。
お燈まつりは、今からおよそ2600年前、神武(じんむ)天皇が東征で熊野に上陸した際、タカクラジノミコト(高倉下命)が、松明(たいまつ)を持って道案内をしたという故事にちなんで、毎年2月6日に行われている女人禁制(にょにんきんぜい)の祭りで、腰に荒縄を巻き、燃えさかる松明を持った「上り子(のぼりこ・あがりこ)」と呼ばれる白装束の男衆が538段の険しい石段を一気に駆け下ります。
遠くから見ると、山肌に連なる炎が山を下る龍のように見える事から、民謡「新宮節(しんぐうぶし)」で、「お燈祭りは男の祭り、山は火の瀧、下り龍」と歌われています。
6日は夕方から、上り子がお互いに「頼むで」と声を掛け合いながら、世界遺産・熊野速玉(はやたま)大社などを参拝したあと、神倉神社のご神体「ゴトビキ岩」前で松明に火を灯し、午後8時ごろ修験者のほら貝を合図に山門が開かれ、上り子が大声を張り上げながら麓へと駆け下ります。


今年も夕方から腰に荒縄を巻いた白装束の「上り子」と呼ばれる男衆がご神体の「ごとびき岩」を祀る山に集まりました。
そして、夜を待って、山門の扉が開けられると、「家内安全」などと願い事を書いたたいまつを掲げた「上り子」がふもとを目指して538段の石段を駆け下ります。
普段は誰でも参拝できる神倉神社は、この日だけ女人禁制になり、今年は去年より200人以上多い1921人の「上り子」たちが心身を清めて祭りにそなえました。
この「お燈まつり」が終わると熊野地方は春を待つ気分が高まります。


神倉神社:熊野速玉大社の摂社でご神体は通称「ごとびき(熊野地方の方言でヒキガエルのこと)岩」と呼ばれる巨岩で自然崇拝の一つに数えられる。



和歌山県無形文化財に指定されていて1400年以上も続く歴史ある炎のみそぎ神事である。祭り当日は、夕刻まではいつもと何ら変わらない静かな町に「あれっ!日にち間違えたかな?」と思う人がいるかも知れない。陽が落ちて、薄暗くなってくると、町のあちらこちらから白装束の上り子が松明を持って現れ、「たのむでぇ~!」と言って松明をぶつけ合う。
火にはすべてを燃やす力と、太陽のように全てを育む生命力があり、古代よりこの火への畏怖と恵みに感謝する心が示された祭りであり、上り子が松明の火を家に持ち帰り祀ったことは、熊野独特の神迎えを意味する。現在では、防火の観点から、火は麓の太鼓橋で消して、松明を持ち帰っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿