ブログ アーカイブ

2011年11月10日木曜日

「卵を割らなければオムレツは作れない」ーフランスの諺よりー

 先月30日の日曜日のことだが、生憎お天気が悪くて一日中家にいてテレビでゴルフを観戦したり、新聞を拡げたりして過ごしたなかで、新聞のあるページに女優で作家の岸惠子さんが[仕事力]ー非日常を捉えて生きるー岸惠子が語る仕事ー「捨て身の力」を忘れない、というタイトルのなかに彼女は2つの項目を挙げて、彼女がこれまで歩んできた人生から, 彼女の考え方、生き方 として、

岸 惠子
 ・平穏を壊してでも未知に挑む
・自分の限界まで必死になること
の2つのことを綴っていた。
 そのなかに題目に掲げ、これから書こうとしている「卵を割らなければオムレツは作れない」というフランスの諺が目に飛び込んできた。
 彼女は云う、「卵は割りたくないけれどもオムレツは食べたい」というのはダメ。
 何か新しいことをしたかったら、持っているものを壊さなければならないのです。

私は手持ちの卵をもう殆ど壊してしまい、作ったオムレツは決して美味しくはなかった(笑)
でも、オムレツはお腹にずっしりと重い味わい深い ものでした。                                                                                                                                                       













 目の前に降って湧いた非日常に必死で関わってきた私は,決して「芸一筋」とか「この道何十年」という仕事の仕方をしてきませんでした。「継続は力なり」が当てはまらない生き方をしてきました。 
 私には見切り発車もできるし、未知の世界へやみくもに突き進んでゆくこともできます。ただ、どんな時でも、選び取ったことには、持てる力の全てを尽くして臨みます。(後略)

 ここで、彼女が言わんとしていることは、わたしがいつも云っている『温故創新』と同じではないかと思った。
「卵を割らなければ」はもっと正確に表現すれば「卵の殻を割らなければ」になる。つまり「卵の中身」を取り出すのに「殻を割る=壊す=創新、」ことによって,美味しいオムレツが作れるのであろうと思う。
 これは、単なる現状否定ではなく、伝統・歴史を重んじながら、それを土台にしてその上に創造的なモノを築き上げる創作的活動が大事だと云っているのである。

 かつて毛沢東が行った中国の「文化大革命」や偶像崇拝を否定するイスラム系過激集団タリバーンが岩山に刻み込まれた石像破壊は、世界人類にとって貴重な世界遺産を壊してしまった破壊行為に過ぎず、世界人類にとって掛け替えのない遺産を壊した多大の損害だけで、得るところが何もなかったハチャメチャな暴挙としか評価できないと思っている。

(卵を割らなければオムレツは作れない)フランスの諺
・On ne fait pas d'omelette sans casser des oeufs.(仏・原語)
・You cannot make an omelet without breaking eggs.(英訳)

「成功には多少の犠牲が必要」という意味のこのフレーズは「捕らぬ狸の皮算用」ではなく「虎穴に入らずんば虎児をを得ず」を胸に、「黒江ぬりもの館」では「黒いスイーツ」の創作スイーツを、お家ではomelette作りにチャレンジをしてみて下さい!

2 件のコメント:

  1. それがしの場合は親が殻を破って作り上げてきたものを、ただただ守って参っただけに過ぎ申さん。
    もちろん10代~20代後半にかけては、既存のものをぶち壊し新たなものを造る気概に満ちており、実際に幾らかの難事を切り抜けて参ったとは覚えまする。
    今人生の後半戦に入ったそれがしには、未だ過去を振り返る余裕はござりませぬが、まだまだ未来を切り開いて参りたき炎は消えてはおり申さん^^

    返信削除
  2. モノノフどの
    拙者は貴殿を直接存じ上げないが、察するところ毅然とした
    それでいて何にでも興味が深い、いうなれば野次馬的なお方
    ではなかろうかと存じ上げまする。
    サミュエル・ウルマン「青春の詩」にいうが如く、肉体的に
    老いるより精神的に老いるのはいけませぬ。
    この点、モノノフ殿は身体エネルギーに溢れ何事にも興味津々、その上チャレンジ精神旺盛と覚えまするが、いかが
    で御座ろう!

    返信削除