霧立ち上る「あらぎ島」 棚田が一面の緑
和歌山県有田川町清水地区の「あらぎ島」は、青々と伸びる稲が一面に広がる季節を迎えている。
有田川が円を描くように蛇行して形成された扇状の河岸段丘に、大小54枚の水田が並ぶ。江戸時代の明暦元年(1655)、庄屋の笠松左太夫が水路を整備し、新田開発を進めたことをきっかけに、特徴的な棚田の景観が生まれた。
1999年に県内唯一の「日本の棚田百選」に認定され、2013年には周囲の景観とともに「蘭島及び三田・清水の農山村景観」として国の重要文化的景観に選定されている。
季節や天候によって多様な姿を見せ、展望台には年間を通じて多くの観光客や写真愛好家らが訪れる。雨の日には、周囲の山々から霧が立ち上り、薄暗い景色の中に緑の棚田が浮かび上がる。
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