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2013年3月15日金曜日

東大寺お水取りの籠たいまつ余話(その2) さだまさし

東大寺「お水取り」の竹、宮城へ(その2) さだまさしさんら「復興祈願」!

 

奈良東大寺の「修二会」も昨夜満願を迎えた。1日から始まった2週間の本行の間、冷たい突風が吹き荒れたかと思うと、春を飛び越えたような暖かい日もあった。2年前には大震災も起きている。自然の力に驚かされ、畏(おそ)れを感じるばかりだ。

 

 祈りで世の中は変わらないかもしれない。でも祈れば、人はどうあるべきかを確かめることができる。だから、二月堂修二会(しゅにえ)は不退の行法と呼ばれ752年以来1262回も途絶えること無く連綿と続いている。

 参籠中唱え続けた諷誦文(ふじゅもん)」は「なぜ我々は祈るのか」という趣旨を込めた重要な意味をわれわれに問い続ける。「敬(うやま)って白(もう)す諷誦文のこと」で始まる文章は、天下泰平や万民豊楽(ぶらく)などを祈って行を続けるのだと宣言し、科学の偏重によって人類滅亡の危機が迫っていることなどを訴える。 その祈りも14日で終わった。15日には、練行衆も晴れやかな顔で自坊へ戻る。

 

かくして東大寺の「修二会」は滞りなく終わったが、「お水取り」で使われた「籠たいまつ」についてもう一つエピソードが残っている。3月10日には宮城県多賀城市の復興イベントでともされる(生憎悪天候のため「籠たいまつ」の点火は中止になった)。菊地健次郎市長が昨年10月、友好都市の奈良市を訪ねた際、東大寺の北河原公敬(きたかわらこうけい)別当(住職)に「鎮魂のため、たいまつを多賀城でともすことはできないか」と持ちかけ、快諾を得た。同寺が通常のたいまつより一回り大きい「籠(かご)たいまつ」を新調し、多賀城へ送った。

このことは、先にブログでアップしたが、今回は「籠たいまつ」がもう一本あったのだ。

 

それは、これからお話しようとするシンガーソングライターで歌手・小説家と多才な才能を発揮されている「さだまさし」氏が宮城県気仙沼市立気仙沼中学校の体育館でのコンサート(無償)で披露しようというモノだ。 


さだまさしさんが奉納した竹(左から2本目)。 
 
写真・図版
写真・図版














たいまつを担いで二月堂の舞台を進む野村輝男さん=2011年3月1日、奈良市の東大寺、
 


 奈良・東大寺二月堂で続く修二会(しゅにえ=お水取り)のたいまつ2本が、東日本大震災から2年を迎えるのを機に、宮城県に相次いで届けられる。奈良時代の752年から1262回続く行事のたいまつが寺外へ出るのは異例。犠牲者の鎮魂と復興の祈願にと、歌手の「さだまさし」さんらや東大寺が実現に動いた。

 1本は、さださんが10日、気仙沼市立気仙沼中学校の体育館でのコンサートで被災者らに披露する。

 さださんは昨年、同市を訪問し、1年後の再訪を約束した。その後、知人の奈良市の菓子店主、喜多誠一郎(じょういちろう)さん(39)らと話し合ううち「たいまつの竹を奉納し、届けてはどうか」と話がまとまった。

 

さだまさしチャリティーコンサートin気仙沼

   さだまさし氏が東北地方の復興支援のため自主的に行っている支援コンサートのため公式な報道・発表はいたしませんので、詳細は下記へお問い合わせ下さい。
  
  

  ■期日:3月10日(日)■時間:12:30開場 13:30開演
■会場:宮城・気仙沼中学校体育館
※駐車場は無いので公共交通機関をご利用ください。
※気仙沼中学校への問い合わせは行わないでください。
※入場は無料ですが整理券が必要です。
※当日は、義援金(1000円以上)をお願いします。
※スリッパ、座布団持参。
※未就学児の入場不可。
■整理券
【配布日時】
3月2日(土)11:00~
※予定枚数に達したら終了
【配布場所】
1.藤田屋(気仙沼市魚町2丁目4-20)
2.揚げたてコロッケ屋(気仙沼復興商店街 南町紫市場内)
■問い合わせ
・魚町2区復興委員会(藤田屋)0226-22-3111
・気仙沼復興商店街 南町紫市場(坂本)090-8612-6031

 

 お水取りで付き人役を50年務めてきた寺職員、野村輝男さん(69)が長さ7メートルのたいまつの担ぎ手を買って出た。8日午後7時からの行事でともされた後、気仙沼に喜多さんが運ぶ。

 さださんは長年「お水取り」を聴聞し「修二会」という曲も書いた。「お水取りは平和祈願の法会(ほうえ)。東北が元気にならないと日本の元気、平和は実現しない。復興祈願の思いが届くとうれしい」。お披露目を終えたたいまつは箸などに加工し被災者に配りたいという。

 
・さだまさし『修二会』:http://www.youtube.com/watch?v=C-6yiqOErR0
 

 お水取りのたいまつは3月1~14日、法要のため二月堂に向かう僧侶の足元を照らす。寺外の展覧会などで披露されることはあるが、鎮魂・復興の祈願で被災地に運ばれるのは初めて。北河原別当は「道明かりのたいまつが慰霊にふさわしいか戸惑いもあったが、復興の道明かりになり、被災地や被災者のお役に立てばと思う」と話している。

 

・さだまさし:さだまさし氏と東大寺の関係は深く、1980年以来たびたび東大寺大仏殿でライブコンサートや落慶法要・光明皇后1250年御遠忌啓讃奉納行事東大寺コンサート等、数多くのイベントをこなしてきた。また北河原公敬(きたかわらこうけい)別当(住職)とも親交が深い。

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