| カレンダーが六月になるとそろそろ梅雨(つゆ)の季節。雨の季節ですね。「梅雨」は元来中国から伝わり「梅雨(ばいう)」と呼ばれていましたが、以下のように諸説あります。
・梅雨はしとしと雨が降ることから、「露(つゆ)けき時節」であるから「つゆ」と呼ばれるようになった(大言海)とか。
・「つゆ」は「潰(つ)いゆ」で、ものが湿り腐る季節であるからとか、梅が熟するの意であるとも(日本語源大辞典)。
・また梅の実が黄色く色づく時期の雨であるから「梅雨(つゆ・ばいう)」、ものに黴(かび)が着きやすい時期の雨であるから「黴雨(ばいう)」とも呼ばれます。
この梅雨の季節に入ることを「梅雨入り」とか「入梅」、梅雨の終わりを「梅雨明け」といいます。今回はこの梅雨と暦の関係について書いてみます。
◆現在の「梅雨入り」と「梅雨明け」事情
TVの天気予報で紹介される天気図には、日本列島を横切る梅雨前線がくっきり。この梅雨前線が自分の町を横切るようになると、「梅雨入り」。そしてこの前線が北上、南下あるいは消滅などして「梅雨」の状態に戻らないだろうと判断されると「梅雨明け」が気象庁から発表されます。以前は「梅雨入り宣言」「梅雨明け宣言」と呼ばれて「×月○日をもって」と明確でしたが現在では、「○月△日頃、□地方が梅雨入りした模様」とやや曖昧な表現となっています。
もともと「梅雨入り」「梅雨明け」を気象庁が発表するようになったのはマスコミの要請があったからで、気象学的な明確な定義は無いものだそうです。
元々はっきりした定義も無いものですし、気象現象ですから「ここから梅雨でこの前までは梅雨ではない」と定規で線を引いたように区切れるものではないので、或る意味現在の歯切れの悪い表現のほうが妥当なのでしょう。
◆暦の上での「梅雨入り」と「梅雨明け」
暦の上でも梅雨入りと梅雨明けがあります。
梅雨のような毎年起こる気象現象の時期を知ることは農作物を作る上で重要です。的確に季節の変化をとらえることが出来れば、計画的に作業が行えるばかりか収穫量も増えることが期待できます。
現在なら、既に書いたとおり気象庁が親切にその年の梅雨の時期を予測し、梅雨入り・梅雨明け宣言を行ってくれますが、昔はそうはいきませんでしたから暦の上に書かれた日付が目安となっていたのです。
暦には梅雨入り、梅雨明けそれぞれの位置に「入梅」「出梅」と書かれます。ただ、入梅は暦の雑節として確たる地位を築いているのですが、出梅の方は影が薄く現在では取り上げられることがほとんど有りません。
暦の上の入梅はどのように定められているのかというと現在は、太陽の視黄経が80度となる日 ・・・ 6月11日頃とされています。
昔の暦の入梅の定義は、・芒種(五月節)以後の最初の壬(みずのえ)の日 ・・・ 6月6日~15日頃(新暦)です。芒種が壬の日であったらその日を入梅にするのか、十日後の壬の日からかと言った論争は有りましたが、大勢は芒種の日が壬の日であればその日を入梅としました。
昔の暦の出梅の定義については、・小暑(六月節)以後の最初の壬(みずのえ)の日 ・・・ 7月7日~16日頃(新暦)となっていました。現在のきちんとした出梅の定義は・・・(入梅の定義から推測すれば、太陽の視黄経が110度となる日か(7月12日頃となります))。
壬の日の壬は、五行説の「水の兄」を表す言葉ですから雨(水)の沢山降る時期である梅雨に縁の深い日として選ばれたのだと考えます。
◆太陰暦(旧暦)と太陽暦(新暦)と季節感のズレについて
明治維新後政府は暦を西洋に合わせるため明治5(1872)年11月⒐日太陽暦を採用することを決め、同年12月3日を明治6年1月1日として実施したため、短期間で従来の月の満ち欠けを基準とする太陰暦(旧暦)から太陽暦(新暦)に切り替わり、おおきな混乱が生じました。
それまでの月日は太陰暦(旧暦)で記されているため、季節感は旧暦を新暦の月日に置き換えて読み直す必要があります。いまでも自然現象や農耕は旧暦の方が季節感がピッタリします。
松尾芭蕉の有名な句 "五月雨を 集めてはやし 最上川” (奥の細道より)
があり、五月雨(さみだれ)とあるので五月の雨と受け取りがちですが、梅雨末期に集中的に降る雨を指し、俳句の弟子「曾良随行日記」の記述によれば、この句の元の句は元禄2(1689)年5月29(今年の新暦換算7月18日)は詠まれたことになっています。
◆季節の花
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アジサイ |
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うつぎ(卯の花) |
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梅の実 |
こんなことってあり? 梅の木にアライグマ 田辺市稲成町の梅畑(紀伊民報・6日)
和歌山県田辺市稲成町、国道42号近くの梅畑で2日、特定外来生物のアライグマが梅の枝で休息しているのを作業に来た男性(20)が見つけた。アライグマの生態に詳しい市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんも「木の上で寝るのを見たのは初めて」と驚いた。
男性によると、午前9時ごろ、梅畑を整理しようと家族4人で訪れたところ、高さ5メートルほどある梅の枝に黒っぽく丸いものがあるのに気付いた。ハチの巣だと危険なため、近づいて確認すると丸くなったアライグマだった。
すぐに田辺市へ連絡。鈴木さんが駆け付け、木の下に捕獲籠を設置した。
アライグマは夜行性で昼間は休息している。暑い夏場は木の上にいることが多いと言われている。鈴木さんは「もっと大木で寝ていると思った。こんなに細枝の上で寝られるのなら、庭木などでも休む可能性がある」と話した。
【木の上で丸くなって休むアライグマ(和歌山県田辺市稲成町で)】 |
今日はどういうわけか梅雨の晴れ間なのか、朝から清々しき青空が広がっておりまするのぉ^^
返信削除しかしじとじととした嫌な梅雨の季節をも、四季のうつろいととらえられる御貴殿は流石でござるw
それがしなど「あー鬱陶しい、あぁ嫌だ嫌だ」とまるで駄々っ子の如くごねてばかりおりまするぞ^^;
モノノフ殿
返信削除春夏秋冬、いわゆる四季の変化があってのことと思います。
本当に今日は時刻の経過と共に天気が良くなり、JR海南駅前
広場の第2回軽トラ市も賑わったように聞いております。
私は頚椎・腰椎二箇所をOPしてますので、湿度、気圧等に過敏に
反応します。これからのエアコンは温度を下げるより除湿が主体
の使い方です。実際梅雨の時期は過ごすのが辛いですよ!