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2012年6月4日月曜日

内憂外患・四面楚歌(内政・外政)か?

 さきにゴルフにおける韓国女子選手の強さの秘密に続いて、韓国の経済の強さを代表する薄型液晶テレビ・半導体分野における強さの秘密に迫ろうと思っていた矢先、一日の欧米外国為替市場で急激な円高が進んだ。そこでこちらの方を優先し、このままではナニが起こるか知っておこう。

対ドルでは一時1ドル77円台後半、対ユーロでは、11年半ぶりの1ユーロ95円台半ばの円高水準をつけた。これに株価も反応し世界同時株安状態を呈している。これに対し安住財務大臣は断固とした対応を取ると宣言したが、世界中で日本だけが力んでみてもいかんともし難いのは目に見えているからだ。

ユーロ圏ではギリシャの財政破綻が引き金と成り、金融市場の目は今回はスペインに向けられている。スペインの4月の失業率は24.3%、25歳以下の若者に至っては51.5%と半数異常が失業状態、2012.13年ともマイナス成長が続く。 さらにスペイン経済を悩ませているのは銀行の不良債権問題である。不動産バブル崩壊後、地価下落により銀行は巨額の不良債権を抱え込み、この不良債権処理のため、政府が公的資金を注入すれば、こ国の財政赤字がさらにふくらみ国債金利が上がることになる。1日の欧州債券市場で、スペイン国債が売られ、10年物国債の利回りは一時6.7%台の上昇した。スペインの財政悪化の影響ははさきのギリシャの比ではない(スペイン人口46百万人・ギリシャ11百万人・4.2倍:GDP・スペイン1兆3968億ドル・ギリシャ3411億ドル・4.1倍)。



 わが国の電機・自動車等輸出産業についても、このドル高・ユーロ高は致命傷に近い重大事態である。1ドル78~80円、1ユーロ102~103円が各社の予算である。大企業では現地生産の比率をたためる戦略をとろうとしているが、部品の多くは中小企業に依存していて、中小企業までもが海外移転する能力はない。大企業の単価引き下げ要求は強く仕方なく応じるか、廃業するかで選択肢は限られている。いずれにせよこの状況が続くのなら国内の空洞化は避けて通れない道である

一方内政に目を転じれば、消費税増税法案を今国会中に通過させるべく、2回の首相:小沢会談が平行線のままのなか、参議院問責決議の国交・防衛相更迭を含む4.5閣僚の改造人事が今日の午後にも決定し、第2次野田内閣が発足するが、消費税増税法案を通過させんがために自民党にすり寄り民主党小沢派の反対があっても数の論理で押し切ろうとの目論見であろうか?
わが国の政党政治の行方も大いに気がかりになるところで、ここしばらくは内政外政の行方を冷静に見守る以外にわがなすべき術が見当たらないのが本当の処である。

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