文化庁が認定する日本遺産に28日選ばれた「絶景の宝庫 和歌の浦」(和歌山市・海南市)と「『最初の一滴』醤油(しょうゆ)醸造の発祥の地 紀州湯浅」(湯浅町)。それぞれ地元は喜び、地域活性化につなげるため情報発信などに力を入れる。
「絶景の宝庫 和歌の浦」は、国名勝「和歌の浦」を中心に、紀州東照宮や熊野参詣道紀伊路など、和歌山、海南両市にある31の史跡や祭りで構成。和歌の浦の景観は万葉集や古今和歌集にも詠まれ、文化芸術を育んできた。今も多くの人々を魅了し続けている。
認定を受け、和歌山市の尾花正啓市長は「和歌の浦の景観を多くの方に体感してもらえるよう認知度を上げ、受け入れ態勢を整えたい」と期待を込めた。
一方、「『最初の一滴』醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅」は、22の醸造場や製造技術、史跡などで構成。鎌倉時代に伝わった味噌(みそ)造りに由来する醤油は、やがて全国に広まって日本の食文化に不可欠なものとなり、世界でも認められている。
湯浅町の上山章善町長は「和食が世界無形文化遺産になり、醤油は世界的にも注目を集めている。醤油醸造で栄えた風情ある町並みだけでなく、そこで繰り広げられる人々の営みにも光が当てられたと感じ、感激だ」と喜ぶ。
日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通して日本の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定する。県内では、熊野灘の捕鯨文化を伝える「鯨とともに生きる」に次いで3件となった
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