和歌山)漱石の手紙、県立博物館に寄託・6月11日
さきに、夏目漱石の未発表の俳句が和歌山市の旧家で発見されたことをお伝えしたが、文化財としてひろくみなさんにみて貰いたいとの意向で県立博物館に寄託することになったそうだ。わが国では重文級の作品は、家の奥深くに仕舞い込むことがおおいなかで、一般公開に踏み切られた同家の決断には敬意を評したいと思う。
なお、今回も朝日新聞の記事を丸ごとお借りしましたことを追記します。
和歌山市内の旧家で見つかった文豪・夏目漱石(本名・金之助=1867~1916)の直筆の手紙や俳句が10日、県立博物館(同市吹上1丁目)で保管されることになった。「文化財として将来的に皆さんに見てもらいたい」と、手紙を保管していた猪飼家が同館へ寄託することを決めた。
手紙と俳句は、漱石が教師として愛媛県尋常中学校(旧制松山中学、現松山東高)から熊本県の第五高等学校(現熊本大)に赴任する1896(明治29)年に、同僚だった教師の猪飼健彦さんに宛てたもの。
健彦さんのひ孫にあたる松田智子さん(55)は10日に市内で会見し、手紙などが見つかった経緯を説明した。今年5月に実家の押し入れを整理していた際、健彦さんの字で裏側に「漱石夏目金之助君俳句及手簡」と書かれた掛け軸を発見。同じ掛け軸に貼られていた封筒にも、漱石の字で「金之助」と書かれていた。
松田さんは20代の頃にも、父親の弘直さん(86)から「漱石の手紙」との説明で手紙と俳句を貼った掛け軸を見せられたが、当時は「価値に気付かなかった」という。「実家では、管理の仕方にも戸惑う。世の中の財産として県立博物館に預け、皆さんに見てもらった方がいい」と述べた。(平畑玄洋)
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